おすすめのドラム音源を探している方へ。
ドラム音源は、作りたい音楽のジャンルや自分のスキルに合ったものを選ぶことで、買った後に後悔する可能性を減らすことができます。
そこで、具体的な選び方と、2020年時点の最新音源も含めた上でのおすすめを厳選して紹介します。
この記事は、DTM歴7年で楽曲のリリース経験もある現役トラックメイカーDTM部長(@dtmbu)がまとめています。
ドラム音源の選び方
ドラム音源にはたくさんの種類がありますが、選び方のポイントとしては、以下の通りです。
どんな音楽ジャンルを作りたい?
たとえば、ジャズなら、できるだけ生演奏っぽい音でリアルな臨場感を再現したいと思いますよね。
一方、電子音楽では、これとは全く違う質感のビートが欲しくなると思います。
各メーカーから販売されているドラム音源も、ざっくり分類すると、以下のように2つのタイプにカテゴライズできます。
- 本物のドラムセット演奏をリアルに再現できる
- EDMやHiphopに特化したサンプラーやドラムマシン
まずは、どちらが自分に向いているのかを考えてみてください。
ドラムやDTMの経験・スキルは?
ドラムの経験者であれば、どこのパラメータを調整すれば欲しいサウンドが得られるかが、ある程度カンで分かります。
しかし、初心者の場合は、細かい機能よりも、できるだけシンプルなインターフェイスで直感的に操作できるものが向いています。
また、打ち込みのMIDIパターンが豊富に用意されていると、アイディアの参考にできて便利です。
リアルな音を再現できる本格派の音源
本物のドラムセットを演奏した雰囲気をリアルに表現したいという、本格派のあなたには、
ドラムパーツの種類や、打点位置の調整、マイク位置の調整などのアーティキュレーションが細かく設定できるソフト音源がおすすめです。
その中でも、特に良いものを厳選しましたので紹介します。
1位:Toon Track – Superior Drummer 3
音質・音源数ともに最強のドラム音源!
350種類のドラム音源と35種類のエフェクトを搭載した、メガライブラリ音源です。
とにかく音質が良いのと、インタフェースがシンプルで分かりやすいので音作りをサクサク進めてくれるプラグインです。
大容量の割に負荷は重すぎず、快適に使うことができるという、音質・機能・負荷を兼ね備えているということで1位としました。
価格 | 41,800円(2020.06) |
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発売時期 | 2017年 |
容量 | 約241GB |
動作環境 | OS:Windows8、Mac OSX 10.6以上 メモリ:8GB以上推奨 |
エフェクト | 35種類以上 |
・約235GB以上にも及ぶ未加工の44.1 kHz / 24bit サウンド
SONICWIRE
・完全なる「没入感」を得るために、サラウンド構成でセットアップされた11の追加ルームマイクでも収録
・ステレオから最大11チャンネルのサラウンドに対応
・巨匠George Massenburg がエンジニアを担当
・オフラインオーディオからMIDI への変換に対応
・約350種のヴィンテージ・ドラムマシン・サウンドを収録
・35種類のミキサー・エフェクト
・ウィンドウの着脱やサイズ調節も可能な新しいインターフェイス
・プレイスタイル、Tap2Find、ソングクリエイター、ソングトラックなど、収録MIDI グルーブの検索機能とワークフローが大幅に改善
・MIDIグリッドエディタを新規搭載
・マクロ・コントロールをDAW オートメーション可能
・オーディオ・サンプルをインポート可能
・キーボードショートカットに対応
・コア・ライブラリ(約235GB)をダウンロード提供
2位:IK Multimedia – Modo Drum
超高クオリティ!物理モデリングのドラム音源。
物理モデリングのModo Bassで有名なIK Multimediaのドラム音源です。
本製品も物理モデリング音源なので、スティックの素材選択から打点位置の調整まで、設定できるアーティキュレーションの細かさはピカ1です。
負荷もそこまで重すぎず、使いやすいため、個人的には1位にしたいくらいおすすめの音源だと思いました。
価格 | 56,000円(2020.06) |
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発売時期 | 2019年 |
容量 | 約34GB |
動作環境 | OS:Windows7、Mac OSX 10.12以上 CPU:Intel 2.4GHz以上 メモリ:4GB以上(8GB以上推奨) |
エフェクト | 19種類以上 |
・モーダル・シンセシスに基づくリアルタイム・サウンド生成テクノロジー
Media Integration
・あらゆるジャンルに対応する10種類のドラム・キット
・ドラム・サウンド全体をコントロール可能:ドラム・キット、演奏スタイル、スティック、部屋鳴り、エフェクト
・19種の高品位なエフェクト
・1,400種類以上のMIDIパターンを収録したグルーヴ・マネージャー
・ドラムの直径と深さを調整、シェルとヘッドを選択、ピッチ調整、減衰調整
・スネアのサイズとテンションを調整、キック・ペダルのビーターを選択、キックの奏法をヒール・アップ / ヒール・ダウンから選択、スネアやタムの共鳴を調整
・叩く場所を選択、スティックを選択、人間らしい表現が可能なベロシティ・レイヤー、同音連打時に自然なバリエーションを生成するラウンド・ロビン
3位:FXpansion – BFD 3
生ドラムの演奏をリアルに再現したいならこれに決まり!
本物のドラムの音に近いサウンドで、長年に渡り定評のあるBFD(Ver3が最新版)。
ハイハットの開き具合から、叩く場所、リムショット、シンバルスウェルのまで細かく設定でき、リアルな演奏を再現できます。
ただし、負荷が軽くはないため、安価なノートパソコンで手軽に使えるタイプではないので、そこだけは注意が必要です(アップデートにより改善されれる可能性あり)。
価格 | 40,000円(2020.06) |
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発売時期 | 2013年 |
容量 | 約155GB |
動作環境 | OS:Windows10、Mac OSX 10.11以上 CPU:Intel Core i5(i7以上推奨) メモリ:4GB以上(8GB以上推奨) |
エフェクト | 33種類以上 |
L.A.のOcean Studiosとメリーランド州のOmega Recording Studiosでレコーディングされた、119個のピースと7つの新しいキット。
Media Integration, Inc.
BFD3専用の高解像度で収録されたロック、メタル、ジャズ、ブラシのキット。
55GBのディスク・スペースから155GB相当のロスレス・サンプルをストリーミング。
タムの共鳴やシンバルのスウェル奏法までもモデリング。
最大8つのアンビエント・マイク・チャンネル。
作業効率の高いユーザー・インターフェイスとワークフロー。
ハイスピード、高効率オーディオ・エンジン。
DCAM EnvShaper、Reverbを含む新しい33種類のエフェクト。
すぐにミックスが行える、豊富に用意されたプリセット。
詳細に編集可能なグルーブ・エンジンと新しいグルーブ生成ツール。
初心者でも使いやすいドラム音源
細かいアーティキュレーションが設定できるドラム音源は、リアルなドラムサウンドを求める人によっては良い選択肢ですが、
基本的なドラムの叩き方を知らない初心者の場合、どう設定するのが正解なのかが分からないため、使いこなすのは容易ではないです。
そんな人におすすめな、比較的シンプルで分かりやすいドラム音源をいくつかピックアップして紹介します。
1位:XLN Audio – Addictive Drums 2
分かりやすいインタフェースで使いやすいドラム音源!
画面インタフェースがとても分かりやすく、説明書を読まなくても触って遊んでいるだけで使い方を覚えられます。
プロアーティストも認める音質で、ドラムパターンも5,000以上あるので初心者でもクオリティの高いビートが作れます。
ただし、収録されているドラムの種類はそこまで多くなく、ロック寄りのものが多いので、そこだけ問題ないか確認しておきましょう。
価格 | 16,500円(Amazon、2020.06) |
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発売時期 | 2014年 |
容量 | -(未確認) |
動作環境 | OS:Windows7、Mac OSX 10.7以上 メモリ:2GB以上(4GB以上推奨) |
エフェクト | EQ、コンプ、ディストーション、ディレイ、リバーブ |
・ADpak、Fairfax vol.1 & vol.2、BlackVelvetを収録
Soundhouse
・5,000以上のMIDIパターン
・伝説のスタジオでレコーディングされたFairFax Vol.1 & 2
・オルタナ/グランジに最適なBlack Velvet
・合計18ピースのドラムキット
・素早い音色確認と簡易調整が可能なエクスプローラーページ
・リンク機能により複数のドラムピースを1ノートで発音
・キックとスネアに”Tone Designer”コントロールを新搭載
・サウンド集ADPAK、リズムパターン集MIDI Pakの追加が可能(別売)
2位:Toon Track – EZ Drummer 2
初心者でもプロ並みのビートが簡単に作れる!
本製品の最大の特徴は、マウスで適当なリズムを打ち込むと、似たリズムのパターンを自動検索してくれるTap 2 Find機能です。
8,000を超えるMIDI形式のドラムパターンが内蔵されているので、初心者でも頭の中にあるアイディアをすぐに形にすることができます。
細かいアーティキュレーション設定はできませんが、音質も良く、ドラムの種類も豊富なので初心者にピッタリの音源といえます。
価格 | 13,530円(サウンドハウス、2020.06) |
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発売時期 | 2014年 |
容量 | 約3.4GB |
動作環境 | OS:Windows7、Mac OSX 10.6以上 メモリ:2GB以上推奨 |
エフェクト | 7種類以上 |
・「Tap 2 Find」機能により、MIDI鍵盤や電子ドラム、マウスで演奏してイメージに近いMIDIグルーブを探すことが可能
SONICWIRE
・2種類のドラムライブラリを収録。合計で5つのドラムキットが利用可能
・世界トップクラスのドラマー&プロデューサー、超一流エンジニアによるレコーディング
・MIDIグルーブ(ドラムパターン)集へ瞬時にアクセス、オーディション(試聴)、ドラッグ&ドロップによるドラムトラック作成まで、シームレスな操作が可能
・MIDIレコーディング機能を搭載
・「ソングトラック」でドラムトラックを構築することが可能
・「ソングトラック」で構築したドラムトラックをMIDIファイル/WAVファイルでエクスポートすることが可能
・「ソングクリエーター」機能が、たった1つのMIDIグルーブから1曲分のドラムトラックを生成
3位:Steven Slate Drums – SSD5
無料でも使える即戦力ドラム音源!
2019年にリリースされたSSDの最新ドラム音源です。
プロエンジニアによって録音・加工された、ロックからジャズまで幅広いジャンルに対応した、即戦力のプリセットが豊富に含まれており、無料でも使うことができます。
アーティキュレーションやエフェクトなど、細かい設定はできませんが、簡単操作で最初から完成されたサウンドを使えるという点で、初心者にもおすすめです。
価格 | 99ドル(約10600円、2020.06) |
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発売時期 | 2019年 |
容量 | 約15GB |
動作環境 | OS:Windows7、Mac OSX 10.10以上 メモリ:4GB以上(8GB以上推奨) |
エフェクト | – |
・148種類のプリセット
Steven Slate Drums
・2400以上のMIDIの打ち込みパターン
・ロック、メタル、ジャズ、ファンク、インディ、レゲエ用のキット
・MIDIマッピング、ラーニング
・前バージョンにはないワンショットのスネアサンプル
・スネア135、キック112、タム58
・ハイハット11、クラッシュ14、ライド6、スプラッシュ4、チャイナ4
・2インチテープで収録した未加工サンプル
・サードパーティサンプルの取り込み
ダンス系におすすめのドラムサンプラー音源
EDMやヒップホップ、エレクトロニックなどのダンスミュージック全般においては、生ドラムの臨場感を再現するよりも、
他の人とは違った新鮮なグルーブのビートを作ることの方が重要になることが多いです。
そんな人におすすめなプラグインはこちらです。
1位:Native Instruments – Battery 4
感覚的にビートメイクができるドラムサンプラー!
バージョン1の発売から10年以上歴史のあるNative Instrumentsの高性能サンプラー。
DAWのように、1ショットやループ音源を加工・編集したり、モジュレーションやエフェクトを適用して自由自在なビートが作成できます。
フィーリングに合うキットを選択して、パッドを叩くだけで、直感的にビートを作成できるのも魅力的です(MIDIコントローラが必要)。
価格 | 26,800円(2020.06) |
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発売時期 | 2013年 |
容量 | – |
動作環境 | OS:Windows7、Mac OSX 10.12以上 メモリ:4GB以上 |
エフェクト | 8種類以上 |
ライブラリには、ヒップホップとエレクトロニック・ミュージックの制作に最適な143のキットを搭載しています。 変わらない人気を誇るBETTERYに、モダンな音楽制作のための70の最先端キットが加わりました。 タグ・ベースのブラウザでお望みのドラム・サウンドを見つけ、ドラッグでセルへインポートして、すぐにプレイできます。
すぐにキットをセットアップすることができます。 ファクトリー・サンプルとキットのロードと視認性に優れたカラー・コーディング・システム。 あなた作成したサンプルを読み込んで、このサンプルにカラーをアサインすることで視認性を高めることができます。 ドラッグ・アンド・ドロップによる革新的なMIDIのラーン機能は、パフォーマンス用のコントローラーへの簡易的なサウンドのアサインと、絶え間ない創造的なフローを可能にします。
クラシック・サンプラーやグルーヴボックス・エミュレーターを含む7つのサンプルモードが、あなたに特別なサウンドのバリエーションを提供します。 Time Machine Proアルゴリズムにより比類なきタイムストレッチが可能になります。 ゴージャスな波形ディスプレイは、スタート・ポイントとエンド・ポイント、ボリューム・カーブなどが表示されます。 さらに簡易的なキットの構築とサウンド・デザインのための瞬時のセル・レンダリングを可能にします。
BATTERY 4にはSOLID EQ、SOLID BUS COMP、TRANSIENT MASTER、テープ・サチュレーション、LoFi、コンボリューション・リバーブのパワフルなエフェクトが搭載されています。 セルとグループ化されたセル、あるいはマスターアウトに対して効果を与えます。 チェインの作成、エフェクトの再設定、ドラッグ・アンド・ドロップによる簡易的な操作による、4つのバスとマスターチャンネルへのサイドチェインの作成。
単品での購入は公式サイトから。
また、Komplete 12 Ultimateにも含まれています。
2位:Rolandシリーズ(TR-808、TR-909)
日本が世界に誇る、世界標準のドラムマシン!
TR-808やTR-909は、ダンスミュージックにおいて世界で最も有名なドラムマシンです。
特に808は、トラップを初めとしてUSのTop40の音楽でも多用されており、必要不可欠な存在です。
Roland Cloudは基本的にこれらのプラグインを月額利用できるサブスクサービスですが、単体で買い切ることも可能になりました。
単体価格 | 149ドル~(約16,300円~) |
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サービス開始時期 | 2020年 |
月額料金 | Core: 2.99ドル(約321円) Pro: 9.99ドル(約1,074円) Ultimate: 19.99ドル(約2,148円) |
プラグインの数 | 60種類以上 |
Roland Cloudの具体的な使い方や、より詳細なレビューについて、以下の記事を参考にしてください。
3位:Imageline – FL Studio 20
リズムやビートの制作に特化したDAWソフト!
FL Studioはダンスミュージックの制作に特化した「DAWソフト」です。
搭載されているステップシーケンサーがとても使いやすく、初心者でも楽しみながらビートループを作ることができます。
DAWでありながら価格が安く、Fl Studio自体を他のDAW上でプラグインとして起動することもできるので、音源として購入するのも大アリだと思います。
価格 | Producer: 26,000円(2020.06) Signature: 34,000円(2020.06) |
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発売時期 | 2018年 |
動作環境 | OS:Windows8、Mac OSX 10.13以上 メモリ:4GB以上 |
エフェクト | 60種類以上 |
Producerエディションはこちらから購入できます。
Signatureエディションはこちらです。
まとめ
ドラム音源も、本物のドラム演奏を忠実に再現できるものから、手軽にビートパターンが作れるものなど、制作のスタイルによって、相性の良いものが変わってきます。
改めて、自分の制作スタイルを考慮して、コレだ!と思ったものを選んでみてください。