プラグインエフェクト

EQ(イコライザー)プラグインのおすすめ!ミックスに使える【2020年版】

EQ(イコライザー)プラグインのおすすめ!ミックスに使える【2020年版】

EQ(イコライザー)は、音楽のミックス作業に欠かせない重要なプラグインです。

そんな、EQプラグインのおすすめが知りたい!という人のために、音質・機能・操作性・コスパなどを評価して、点数の高かったものをランキング形式で紹介します。

この記事は、DTM歴7年で楽曲のリリース経験もある現役トラックメイカーDTM部長(@dtmbu)がまとめています。

EQプラグインとは?

EQとは、特定の周波数の音量を上げ下げして調整するためのプラグインです。

トラック同士がぶつかって音がこもってしまうのを防ぐのに、とても役立ち、ミックス作業において必須の存在です。

具体的な使い方は以下の通りです。

  • 耳障りな音をカットする(音量を下げる)
  • 聴かせたい音をブーストする(音量を上げる)
  • マスキング(同じ周波数の音が被って打ち消されること)を防ぐ

EQの種類

EQにもいくつか種類があります。

種類による主な違いとしては、原音をフィルターするときのカーブ特性(曲線の形)です。

また、これらのうち、バンド毎にEQの種類を切り替えて使える高機能なプラグインも増えてきています。

  1. デジタルEQ
  2. アナログモデリングEQ
  3. リニアフェイズEQ

① デジタルEQ

デジタル処理により、指定した範囲の帯域を正確にカット・ブーストできる一般的なイコライザーです。

ミックス作業には必須の機能であり、ほとんどのDAWに標準で搭載されているEQはこのタイプです。

② アナログモデリングEQ

PuigTeqなど、名機と言われるアナログハードウェアのイコライザーをシミュレートしたプラグインです。

正確さよりも、アナログ機材独特の味付けとして、サウンドに気持ち良いサチュレーション(歪み)が加えられるのがメリットです。

DTM部長
DTM部長
そのため、どちらかと言えば、エフェクトのような使い方になりますね。

③ リニアフェイズEQ

位相ズレにより起こる、音の歪みの症状を防ぐことができる特殊なEQです。

ただし、CPU負荷が高いことや、極端にカット・ブーストし過ぎると音がこもりやすくなることもあり、マスタリングなどの仕上げ段階の微細な調整で使われることが多いです。

また、最近(2020年現在)のデジタルEQは性能が良いので、そこまで位相ズレを気にしなくても良いと思いますし、リニアフェイズEQも位相が変わらない代わりに、プリリンギングによって出音が変わるので、あまりおすすめしないです。

EQプラグインの選び方

EQを選ぶときに確認しておきたいポイントは、以下の通りです。

確認しておきたいこと
  1. 波形が見やすいか
  2. CPU負荷は軽いか
  3. 機能は充実しているか

① 波形が見やすいか

EQでは、周波数を調整するので、リアルタイムに波形を確認できるスペクトラムアナライザ機能がついているものがおすすめです。

本来は、耳だけで判断したいところですが、スペアナがあると処理内容をイメージしやすいので便利です。

アナログモデリングEQの場合は、スペアナ無しのものが多いですが、無いからダメということではありません。

② CPU負荷は軽いか

EQはミックスにおいて、最もよく使われるプラグインであり、設定値もサウンドによって変える必要があるため、必然的に同時に起動する数が多くなります。

そのため、負荷が軽いことはとても重要です。

DTM部長
DTM部長
特にパソコンのスペックがそこまで高くない場合は、その点を考慮しましょう。

③ 機能は充実しているか

あくまで個人的な意見になってしまいますが、

EQに搭載しておいて欲しい機能としては、以下のようなものがあります。

  • ソロ試聴
  • MS処理

ソロ試聴

EQには複数のバンドが搭載されており、各バンドで音をフィルターします。

ソロ試聴とは、フィルターしている部分の音だけを試聴できる機能のことです。

ミックスされたサウンドのどこに問題があるのかを探すときに、とても便利です。

MS処理

MS処理とは、Mid(センター)成分とSide(サイド)成分に分けて処理を行うことです。

MidとSideでそれぞれ個別にEQができると、音の広がり(ステレオ)感を細かく調整することができます。

DTM部長
DTM部長
また、必須ではありませんが、以下のような機能もありますので、参考までに紹介しておきます。

ダイナミック処理

EQにおけるダイナミック(動的)処理とは、うるさく鳴っている瞬間だけEQを適用する、みたいな感じで動的に処理することです。

マルチバンドコンプレッサーと似ていますが、コンプ(圧縮)するか、シェイブ(削る)するかという点で、効果が少し変わります。

DTM部長
DTM部長
コンプされる感じの音が嫌いだったら、ダイナミックEQを使うのはアリですね。

EQマッチング

EQマッチングとは、「こんな感じにしたい」というお手本の楽曲を読み込ませると、AIが周波数分布の傾向を分析し、作成中の楽曲のEQに反映できるという機能のことです。

iZotopeなどのメーカーを筆頭に話題になっていますが、完全にお任せできるものではなく、あくまで参考程度に使うような感じです。

DTM部長
DTM部長
信じるか信じないかは貴方次第です。

EQプラグインのおすすめは?

ここまで解説したポイントを踏まえて、波形の見やすさ、CPU負荷の軽さ、コスパなどを評価して点数の高いものを紹介します。

なお、DTMのメインとして使えるデジタル万能系のEQと、アナログEQの再現性に特化したタイプがあるので、2パターンに分けておすすめを紹介していきます。

EQプラグインのおすすめ
  1. デジタル万能系
  2. アナログモデリング特化系

リアルタイムの波形表示やデジタル処理のEQをメインとして、正確なEQができる、普段使いにピッタリのEQを紹介します。

選定のポイントとしては、DTMで良く使う機能が揃っているか、操作しやすいかなどです。

① デジタル万能系

リアルタイムの波形表示やデジタル処理のEQをメインとして、正確なEQができる、普段使いにピッタリのEQを紹介します。

選定のポイントとしては、DTMで良く使う機能が揃っているか、操作しやすいかなどです。

1位:Fabfilter – Pro Q3

グラフィカルで見やすいインターフェイスと高機能さが魅力の大人気EQ

インタフェースが見やすくて便利な機能が多いFabfilterの製品の中でも、特に人気が高いのがこのPro Q3です。

YoutubeのDTM系の動画などで、使われているのを見たことがある人も多いと思います。

アナライザーの波形がとても見やすいのと、機能が豊富なため、プロアマ問わず人気がある印象です。

価格25,850円(2020.06)
発売時期2019年
MS処理
ソロ試聴
ダイナミック処理
種類デジタル、アナログモデリング、リニアフェイズ
音質
機能
操作性
コスパ

・大きくインタラクティブなEQディスプレイ、最良の結果を提案できるマルチバンド・セクションと編集機能。
・2種類のインターフェイス・サイズとフルスクリーン・モード。
・24のEQバンド
・ゼロレイテンシー・モード、リニアフェイズ・モード、Natural Phaseモード。
・Filter shapes:ベル、ノッチ、ハイ/ロー シェルフ、ハイ/ロー カット、バンドパス、ティルト シェルフ等 6種類のフィルター形状。

・全てのフィルター・タイプは最高96dB/octのカーブをサポート。

サウンドハウス

2位:Ableton live – EQ Eight

軽くて見やすく使いやすい、本当に使えるEQ

8バンド、MS処理、ソロ試聴など、EQとして必要な機能を兼ね揃えながらも、シンプルで直感的に使える1台です。

Ableton Liveの付属プラグイン全体に共通して言えることですが、動作がとても軽く、ストレスになることがありません。

数あるプラグインの中でも、特に利用頻度が高いEQなので、機能面と操作性を兼ね揃えたものを使いたいところです。

価格-(Ableton Live付属)
発売時期2018年
MS処理
ソロ試聴
ダイナミック処理△(代替方法で対応可能)
種類デジタル
音質
機能
操作性
コスパ

3位:Waves – H-EQ

Wavesのデジタル・アナログハイブリッド型EQ!

Wavesのデジタル・アナログ両方のカーブを選んで使うことができるハイブリッド型のEQです。

最大の特徴として、音階を指定してEQできる機能が付いており、各サウンドの音域が被っているかどうかを判断しやすいです。

周波数分布と音階の関係を理解することは、ミックス上達の近道なので、初心者の人にもおすすめしたいプラグインです。

価格6,278円(2020.10)
発売時期2018年
MS処理
ソロ試聴
ダイナミック処理
種類デジタル、アナログモデリング
音質
機能
操作性
コスパ

② アナログモデリング特化系

積極的にブーストをする時などに使いたい、アナログモデリングのEQを紹介します。

最近では、実機をエミュレートしながらも、アナライザーも搭載された高機能なプラグインが増えてきています。

1位:DMG Audio – Equilibrium

豊富なモデリングカーブ特性と見やすいグラフィックで使いやすい!

10種類以上ものアナログ機材をモデリングしたカーブが選択できる、太っ腹なプラグインです。

それぞれのカーブの実機の特性の再現度合いが高いということで多くのエンジニアから支持を受けているようです。

ただし、アナログモデリングされているのはカーブ特性だけであり、サチュレーション(アナログ機材特有の歪み)効果はありません。

価格226ドル(2020.10)
発売時期2014年
MS処理
ソロ試聴
ダイナミック処理
種類デジタル、アナログモデリング
音質
機能
操作性
コスパ

2位:Sonnox – Oxfrod EQ

Sonyのスタジオコンソール「OXF-R3」をエミュレートしたプロユースの定番

スタジオエンジニア御用達のSonyの有名スタジオミキサーをデジタル再現したプラグインです。

簡素なデザインですが、音の再現性が高く、シャープな切れ味が素晴らしいと評価です。ただし、値段もなかなかのレベル。

素材の雰囲気をなるべく崩したくない、音質にこだわりたいという人におすすめです。

価格33,000円(2020.10)
発売時期2017年
MS処理
ソロ試聴
ダイナミック処理
種類アナログモデリング
音質
機能
操作性
コスパ

3位:Waves – Puigteq

DTMer御用達、WavesのアナログモデリングEQ

ヴィンテージのアナログEQであるPuigteqをモデリングしたEQで、多くのDTMerに使われてきた定番プラグインです。

実機のサチュレーション効果が思いっきり再現されているため、挿すだけで音が変わります。

音質の好みはあると思いますが、ネット上の情報も豊富なため、初心者の人でも使い方のコツを掴みやすいと思います。

価格7,400円(2020.10)
発売時期2017年
MS処理
ソロ試聴
ダイナミック処理
種類アナログモデリング
音質
機能
操作性
コスパ

まとめ

色々とおすすめを紹介しましたが、DAWに標準付属されているものを使っても全く問題ありません。

アーティストとして作曲する人にとって、良いEQじゃないと良い曲が作れないということは全くないです。

まずは付属のEQを使ってみて、イマイチ思い通りの音にならないとか、使いづらさを感じた時にサードパーティ製のEQを購入することを検討しましょう。

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