曲作りをするときに、「キー(Key)ってどうやって決めたらよいの?」という疑問をお持ちの人へ。
DTM歴7年で楽曲リリース経験のある現役トラックメイカーが、キーの決め方について、初心者向けに分かりやすく解説します。
- キーってそもそも何?
- キーの決め方は?
Contents
曲のキーとは?
「キー(Key)」とは、楽曲の音の高さとノリ(雰囲気)のことです。
カラオケを歌うときに変更するキーは、音の高さ(音高)を変えているだけですが、音楽理論としての「キー(Key)」は、音の高さと合わせて曲の雰囲気も表現しています。
音楽理論としてのキー(Key)は、「CM」、「Cmaj」のように表され、具体的に以下の情報を持っています。
- 音階:C~Bの音階のいずれか。
- 調:maj(メジャー、長調)かmin(マイナー、短調)のいずれか。
曲のキー(音階)の決め方は?
それでは、実際に曲作りをするときのキーの決め方について解説していきます。
まず、「キーの音階」の決め方は、以下の通りです。
- ボーカルの音域に合わせる
- 楽器の音域に合わせる
- 譜面の記号を簡素化するように合わせる
① ボーカルの音域に合わせる
カラオケで歌えない曲のキーを変更するように、人間の声で出すことのできる音域には限界があります。
また、人によって一番歌いやすい音域も異なります。そのため、ボーカルのある楽曲においては、ボーカルの得意とする音域に楽曲のキーを合わせるのが妥当です。
そのため、作曲する人は、ボーカルが発声できる最高音と最低音を把握して、それをはみ出さないように歌メロを作っていきます。
② 楽器の音域に合わせる
ボーカルのないインストゥルメントトラックや、EDM、ヒップホップなどのジャンルでは、楽器の音域にキーを合わせます。
具体的には、ベースラインの最低音が、人間の耳で判別できる音(ローインターバルリミットを超えない範囲)になるようにキーを決めることが多いです。
「ローインターバルリミット」とは、2つの音程を鳴らしたときに濁らないで聴くことができる最低音のことです。一般的に、低い音になるほど、和音が濁りやすくなるため、注意が必要です。
③ 譜面の記号を簡素化するように合わせる
これは音楽的な話ではありませんが、メロディーラインからアイディアを作り始めた場合に、そのスケールが半音キーだった場合など、コードが♭や#などの記号だらけになってしまう場合があります。
たとえば、キー=D♭のダイアトニックコードを並べると、以下のようになります。
D♭ – E♭m – Fm – G♭ – A♭ – B♭m – Cmdim
別にこれでも、音楽的には全く問題はないのですが、譜面に楽曲を書いていく場合に、記号が多いと単純にややこしくなるため、曲の雰囲気が変わらない範囲で、分かりやすいキーに合わせるというのもひとつの手です。
曲のキー(調)の決め方は?
曲のキーにおいて、「調(メジャー/マイナー)」の決め方は、以下の通りです。
- メロディーのイメージに合わせる
- 作りたい曲の雰囲気に合わせる
① メロディーのイメージに合わせる
最初に、きっかけとなるメロディーから作り始める場合に、そのメロディーの雰囲気に合っている調を選びましょう。
基本的に、それぞれの調は、以下のようなイメージを持っています。
- メジャー(長調):明るいイメージ
- マイナー(短調):暗いイメージ
そのため、作ったメロディーのイメージに合わせて選んだり、作ったメロディーの構成音が、メジャースケール・マイナースケールどちらの音階の音を使っているかを確認して決めます。
という人は、以下の記事を参考にしてみてください。
② 作りたい曲の雰囲気に合わせる
そもそも、何のイメージも無しに曲を作り始める人は少ないですよね。最初になんとなく、
みたいなイメージがあると思います。
ざっくりでも構いませんので、なんとなく持っているイメージに合わせて調を選んでみましょう。
まとめ
曲のキーの決め方について、解説しました。
この記事で解説した内容のポイントをまとめると、以下の通りです。
- 曲の「キー(Key)」は、音階・調の情報を持っている。
- 音階は、ボーカルや楽器に合わせて決める。
- 調は、メロディーや曲のイメージに合わせて決める。
世の中のアーティストが、曲のキーをどうやって決めているか、なんとなく分かりましたでしょうか。
皆さんも、この記事を参考にして、楽曲の全パートの音を活かせるようなキーの決め方をしてみてください。
という人は、以下の記事も参考にしてみてください。
また、他の音楽理論に関しては、以下の記事にまとめています。