これからDTMを始める人へ。
特にパソコンが苦手な人にとって、DAWの設定は、とても面倒な作業ですよね。
設定の手順については、公式サイトのマニュアルにも記載がありますが、DAWを始めて使う初心者を考慮して、そもそもなぜその設定が必要なのかというところまで、ていねいに解説されているものは多くありません。
また、DAWはほとんどが海外製品のため、「確かに日本語にはなってるけど読みづらい!」なんてことも・・。
そこで、多くの初心者が「??」となりそうな部分や、注意しておきたいポイントについて解説します。
- DAWで最初にやっておくべき設定は?その設定の方法は?
- パラメータはどんな値に設定すれば良い?
Contents
DAWの設定のポイント
DAWの設定のポイントは、以下の通りです。
- オーディオの設定
- データ保存先の設定
- プラグインの設定
- MIDIの設定
DAWの設定をする目的としては、以下の通りです。
設定項目 | 目的 |
---|---|
オーディオの設定 | ・DAWの音をスピーカーやオーディオインターフェイスへ出力する。 ・再生/録音の音質などをパソコンに負荷がかからない範囲で最適化する。 |
データ保存先の設定 | ・各データの保存先を正しく設定してパソコンの容量圧迫を回避する。 |
プラグインの設定 | ・DAWのトラック上でプラグインを起動できるようにする。 |
MIDIの設定 | ・MIDIキーボードなどの外部機器とリンクさせてDAWを操作する。 |
オーディオの設定
DAWソフトを使い始めた初心者DTMerにとって、良くあるトラブルのひとつが、「音が出ない!」です。
そうならないためにも、基本中の基本である、オーディオ設定について解説します。
- オーディオデバイスの設定
- サンプルレートの設定
- レイテンシーの設定
① オーディオデバイスの設定
まず最初に、オーディオデバイスを選択します。
オーディオデバイスとは、スピーカーやマイクなどの、パソコンで音声を再生したり、録音するための外部機器のことです。
[コントロールパネル]のサウンドからオーディオデバイスの一覧を確認することができます。
これがないと音が鳴りませんので、DAWには必須の設定です。
パソコンでオーディオデバイスを扱うためには、パソコンと外部機器を接続するためのドライバーと呼ばれるソフトが必要になります。
ドライバーは、OS標準で準備されており、よく使われる代表的なタイプは以下の通りです。
OS | 標準ドライバー |
---|---|
Windows | ・ASIO ・Direct Sound(DirectX) ・MME |
Mac | ・Core Audio |
オーディオインターフェイスを使う場合は、メーカーが用意している専用のドライバーもあります。
ドライバーについてもう少し詳しく知りたい人は、以下の記事もチェックしてみてください。
ドライバータイプの選択
Ableton Liveなどのオーディオ設定画面では、まず最初にドライバーのタイプを選択するようになっています。
オーディオデバイスの選択
こちらは、オーディオインターフェイス(例としてRMEのFireface UCXを使っています)のドライバーをダウンロードしてから、Ableton liveのオーディオ設定を開いた画面です。
[ASIO Fireface USB]というオーディオデバイスが選択できるようになっています。
Studio Oneの場合は、ドライバータイプを選択しなくても、パソコン上に存在するオーディオデバイスを自動的に表示してくれます。
② サンプルレートの設定
サンプルレートとは、パソコン内でデジタル音声信号を扱うときに、どの程度、細かいレベルで処理するかを示す値です。
大きい値に設定するほど、音の解像度が上がりますが、その代わりにデータ容量も大きくなります。
市販のCDのサンプルレートは44100Hzですので、それと同じか、パソコンの負荷に影響を与えない程度で、少し高めの48000Hzあたりに設定するのがおすすめです。
ハイレゾのデータ配信を狙う人は、より高いHzに設定します。
③ レイテンシーの設定
レイテンシーとは、デバイスの操作に対する反応の速さを示す値です。
MIDIキーボードを弾いてから音が出るまでの速さや、オーディオインターフェイスから取り込んだ音をどれだけリアルタイムに再生できるか、などに影響します。
DAW上のパラメータとしては、バッファサイズを設定します。
バッファサイズを小さく設定するほど、反応が速くなりますが、その分、CPUやメモリに負荷がかかり、ノイズが発生しやすくなります。
最適な設定値については、パソコンのスペックによりますので、正解は人によって変わります。
まず最初に、1024Samplesあたりに設定してから、DAW上でソフトシンセを弾いてみて、反応に違和感があるようなら、バッファサイズを下げていくのが良いでしょう。
演奏時に「ブチブチ」というノイズが発生したら、逆にバッファサイズを上げて調整します。
オーディオインターフェイスの専用ドライバーを使っている場合は、上記のように専用のユーザーインターフェイスでパラメータを設定することができます。
DAWソフト個別のオーディオ設定
各DAWソフト別の設定方法については、以下の記事を参考にしてください。
- Ableton Liveのオーディオ設定(リンク準備中)
- Studio Oneのオーディオ設定(リンク準備中)
FL Studioのオーディオ設定(リンク準備中)
データ保存先の設定
DAWのプロジェクトファイルなど、音楽制作に使用する各データの保存先を設定します。
基本的にこれらのデータは、Cドライブ以外のドライブに保存するのがおすすめです。
その理由については、「DAWのインストール」の記事で説明しています。
- プロジェクトデータ保存先の設定
- ライブラリ保存先の設定
① プロジェクトデータ保存先の設定
プロジェクトデータとは、制作中のDAWソフトの編集ファイルのことで、専用の拡張子になります。例えばAbleton liveだと、「.als」になります。
楽曲制作をしていれば、「ちょっと前に戻して、アレンジをやり直したい!」となるタイミングは必ずあります。
以前の状態に戻せるように、プロジェクトファイルは日付で分けたりしてバージョン管理しておくのがおすすめです。
そのため、プロジェクトファイルだけでも、数10GB程度のデータ容量になることも普通にあります。
② ライブラリ保存先の設定
ライブラリとは、DAWソフトで読み込んで使う音源データが保存されている場所(保管庫=Library)のことです。
DAWソフトでは、ライブラリに保存されているプラグインやループ音源、プリセット音色などをプレビュー表示することができます。
このライブラリのデータを使用すれば、すぐに音楽制作を始めることができるため、とても便利なのですが、素材が多いだけにストレージの使用容量も多くなってしまいます。
そのため、ライブラリをDドライブなどの、別のストレージに保存するなどして、Cドライブ(メインとして使うストレージ)の容量圧迫を回避するのがおすすめです。
各DAWソフト別の設定方法については、以下の記事を参考にしてください。
- Ableton Liveのファイル保存先の設定(リンク準備中)
- Studio Oneのファイル保存先の設定(リンク準備中)
- FL Studioのファイル保存先の設定(リンク準備中)
プラグインの設定
DAWで、ソフトシンセなどのプラグインを読み込んで立ち上げるための設定を行います。
プラグインフォルダの設定
プラグインフォルダとは、DAW上でプラグインを読み込むための「プラグインファイル」を保存しているフォルダのことです。
DAWの設定で、VSTプラグインフォルダの場所を設定して、スキャンを実行することでプラグインを読み込むことができます。
なお、プラグインの使い方については、以下の記事でより詳しく解説していますので、チェックしてみてください。
また、各DAWソフト別の設定方法については、以下の記事を参考にしてください。
- Ableton Liveのプラグインの設定(リンク準備中)
- Studio Oneのプラグインの設定(リンク準備中)
- FL Studioのプラグインの設定(リンク準備中)
MIDIの設定
MIDIキーボードなどの外部デバイスをDAW上で認識させるための設定です。
外部デバイスの専用のドライバーをインストールしてから、DAWを立ち上げると、MIDI設定で、その外部デバイスが選択できるようになっています。
外部デバイスを選択して、同期をオンに設定すればDAWとのリンクが完了します。
なお、MIDIキーボードの使い方については、以下の記事でより詳しく解説していますので、チェックしてみてください。
各DAWソフト別の設定方法については、以下の記事を参考にしてください。
- Ableton LiveのMIDIの設定(リンク準備中)
- Studio OneのMIDIの設定(リンク準備中)
- FL StudioのMIDIの設定(リンク準備中)
まとめ
DAWの設定のポイントをまとめると、以下の4つです。
- オーディオの設定
- データ保存先の設定
- プラグインの設定
- MIDIの設定
基本的には、この4項目が正しく設定できていれば、快適にDTMで制作を行うことができます。
DAWの設定に関する知識は、今後、機材を買い足したりするときにも使えるので、しっかり理解しておくことをおすすめします。