「キレイな音のソフトシンセが欲しい」「軽くて使いやすいシンセが良い」
そんな人におすすめのReveal Sound「Spire」について、音質の特徴や、他のシンセとの機能の違い、CPU負荷など、実際に使ってみた感想をシェアします。
この記事は、DTM歴7年で楽曲のリリース経験もある現役トラックメイカーDTM部長(@dtmbu)が書いています。
- Spireってどうなの?他のシンセとの違いは?
- Spireの負荷は重い?実際のところは?
Contents
Reveal Sound「Spire」とは?
「Spire(スパイア)」とは、ロシアのReveal Sound(リビール・サウンド)社が開発するソフトシンセです。
減算からFM・AM変調まで、アナログモデリングサウンドが幅広く作れる、ハードとソフトの良い所取りをした複合型のソフトシンセです。
インターフェイスがシンプルで初心者でも操作しやすく、プラグインの負荷が軽いので、複数個立ち上げても快適に使えるのが特徴です。
スペック | 内容 |
---|---|
価格 | 20,233円 |
音源方式 | 複合型(減算、FM、AM) |
プリセット音色 | 946以上 |
オシレータ | 4個 波形:7以上 |
フィルター | 24以上 |
エフェクト | 5以上 |
なお、「複合型」など、シンセの方式について知っておきたい人は、以下の記事をサラっと読んで頂くと、概要が理解できます。
Spireを使うメリットは?
- 出音がキレイ
- 負荷が軽い
- UIがシンプルで操作しやすい
① 出音がキレイ
最初に、プリセットをいくつか試聴したときに、「輪郭が強調されていて、キレイに聴こえる」と感じました。
Spireは、VAシンセのアナログ感(リアル感)のある音と、FM・AM変調によるキラキラ感のある音を組み合わせて音を作ることができる複合型のシンセです。
そのため、これらのブレンドによって、このシンセ特有のクッキリしたサウンドが生まれるんだろうと考察しました。
② 負荷が軽い
Spireを使っていて感じるのが、「負荷が軽い」ということです。良く比較されるSerumやAvengerなどと比較しても、プラグインの起動自体が早いので、快適です。
実際に、Spireを1台起動して演奏させたときのCPU負荷は、おおむね5%くらいで、ほとんどがそれ以下なので、複数台立ち上げても大丈夫な感じです。
※一部、プリセットによっては、20%を超えるものもありました。
③ GUIがシンプルで操作しやすい
一般的に、複合型シンセと言えば、「機能が盛りだくさんなので、操作が大変」というイメージがあります。
しかし、Spireは、減算方式のアナログシンセのようにシンプルなUIなので、初心者でも比較的、抵抗なく使えると思います。
また、音声信号の流れも分かるようになっているので、感覚的にも分かりやすいです。
Spireを利用する上での注意点は?
- ワブルベースのようなウネる系の音は苦手
- FL Studioで使いたい人はちょっと注意
① ワブルベースのようなウネる系の音は苦手
基本的なシンセの仕組みの違いとして、Spireには、流行りのウェーブテーブル方式で音作りをする機能はありません。
そのため、ワブルベースのような、動きのある音を作るのはちょっと難しいといえます。
② FL Studioで使いたい人はちょっと注意
FL StudioでSpireをVSTプラグインとして使おうと思っている人は、ちょっと注意しておきたいことがあります。
FL Studioのフォーラム(英語)で、「Spireが固まる」とか、「エクスパンションが読み込めない」みたいな問い合わせが結構あるんです(2020年5月調査)。
FL StudioとSpireは、相性が良くないのかもしれないです。ちなみに、私がお試ししてみた時は特に問題はありませんでした。
Spireの評判は?
Spireの世間の評価はどんな感じなのか、Twitterから利用者の声を拾ってみました。
Spireデモ版の使い方は?
「さっそくSpireを試してみたい!」という人のために、Spireのデモを使う方法を紹介していきます。
なお、Spireのデモ版は、30秒に1回ノイズが入りますので、本当にお試しするだけって感じになります。
- デモのダウンロードとインストール
- DAW上でプラグインを起動
① デモのダウンロードとインストール
まず、Reveal Soundのページにアクセスして、[DOWNLOAD]をクリックします。
お使いのOSに合ったものをダウンロードします。
ダウンロードした.zipファイルを解凍して、インストールします。
基本的には、[Next]をクリックしていけばOKですが、プラグインをインストールするディレクトリの選択だけ注意してください。
② DAW上でプラグインを起動
インストールが完了したら、DAW上でプラグインを起動します。
たとえば、Ableton Liveなら、プラグインフォルダからMIDIトラックにドラッグ&ドロップします。
特にユーザー登録やアクティベーションなどは不要で、お試しできるようになります。
Spireの使い方は?
それでは、Spireならではの機能を中心に、このシンセの使い方を分かりやすく紹介していきます。
細かい部分は、Spireの公式マニュアルがあるので、そちらを参照してください。
- プリセットの選択
- スキンの変更
- オシレーターの使い方
- フィルターの使い方
- エフェクトの使い方
① プリセットの選択
まずはプリセットを選択してみましょう。左上の[select]をクリックしてプリセットバンクを選択します。
プリセットバンクは[factory]~[factory8]と、作成したプリセットを保存する用の[init]があります。
バンクを選択したら、プリセット名が表示されているウィンドウをクリックして、プリセットを選択します。
また、[< >]をクリックしても、前後のプリセットに変更できます。
② スキンの変更
[MENU]をクリックして[GUI Options]からスキンのテーマを変更できます。
画面サイズはデフォルトで大丈夫だと思いますが、同じメニューで変更できます。
③ オシレーターの使い方
Spireは、オシレーターを4個搭載しており、デチューンして同時に鳴らすことができます。
オシレーター波形を選択したら、[detune]と[density]によって音の厚みを調整します。
この、[density]は、Spireならでは特徴で、他のシンセとは違うデチューン具合を作ることができます。
最後に、[wide]でステレオの広がり感を調整します。
④ フィルターの使い方
Spireの醍醐味でもある、フィルターのタイプを選択します。
名機であるTB-303のフィルターの減衰経度(dB/oct)をシミュレートした[acido]や、Virus TIを再現した[infecto]など、色々なタイプのフィルターが使えます。
⑤ エフェクトの使い方
エフェクト(FX)は、5種類(2020年5月時点)が使えます。
ディレイやリバーブなど、必要なものは揃っているので、これでも十分だと思います。
まとめ
Reveal Soundsのソフトシンセ「Spire」について、その特徴やメリットから、実際のCPU負荷まで、詳しくレビューしました。
この記事で解説した内容のポイントをまとめると、以下の通りです。
- Spireは、複合型(減算、FM、AM)のソフトシンセ。
- 輪郭のあるクッキリした音質で、メインリードとしてバリバリ使える。
- 負荷が軽いので、それなりのスペックでも快適に音作りができる。
- ただし、ウェーブテーブルシンセの動きのある音を期待してはNG。
Spireは、曲の中で存在感が出しやすく、とても使いどころの多いソフトシンセなので、音質さえ気に入れば、強い見方になってくれます。
ぜひ、一度、音を聴いてみて自分に合っているかを確認してみてください。
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