音楽を作るためには、リズムとテンポの違いを正しく理解しておくことが重要です。
また、DAWで打ち込みをするためには、拍子の概念について理解しておきたいところです。
面倒くさくて、すっ飛ばしてしまいがちな基礎知識ですが、理解しておくのとそうでない場合とでは、アイディアの発想スピードが大きく変わってきます。
そこで、DTM歴7年でリリース経験もある現状のトラックメイカーが、リズムとテンポについて解説します。
- リズムとテンポの違いは?
- 曲作りに活かせる
リズムとテンポの違いは?
それぞれを一言で簡単に表すと、以下の通りです。
リズム:音が鳴るタイミング(間隔)
テンポ:楽曲が再生されるスピード
リズムが変わると、音楽のジャンル自体が変わってしまいますが、テンポが変わっても、何とか元のジャンルの雰囲気は残ったままになります。
という訳で、それぞれについて詳しく解説していきます。
テンポとは?
まず、理解しやすいテンポから説明していきます。
「テンポ(BPM)」とは、パターンが演奏されるスピードのことです。
「BPM」は「Beats Per Minute」の略で、1分間に何回ビート(拍)を刻むかで表します。
例えば、ある音楽のテンポが「120BPM」だという場合、1分間に120回のビート(拍)が含まれることを意味します。
1分間 = 60秒 なので、
- 1秒に1回、音を刻むと、そのBPMは「60」になります。
- 1秒に2回、音を刻むと、そのBPMは「120」になります。
DAWソフトでは、このBPM(テンポ)を設定することで、曲のテンポを決めます。
曲のジャンルによってテンポが変わる
曲のジャンルによって、だいたいのテンポが決まっています。
例えば、4つ打ちのEDMだとBPM:128くらいです。
その他、ジャンルによる目安のBPMについては、以下の記事でくわしく紹介しています。
リズムとは?
リズムとは、一定の間隔で規則的に鳴る音のパターン(タイミング)のことです。
具体的には、ドラム(キック、スネア、ハイハットなど)の音が鳴るタイミングの違いが、リズムの違いになります。
もちろん、手拍子をするときの、「パンッ、パンッ」という音も、立派なリズムです。
それでは、リズムを構成する要素について、もう少し詳しく説明していきます。
- 拍(ビート)
- 1拍の長さとBPMの関係
- 拍と音符
- 拍子(≒リズム)
① 拍(ビート)
音楽理論でいう、「拍(ビート)」とは、手を叩いてリズムをとるとき、
「パンッ」という音が鳴ってから、次の「パンッ」が鳴るまでの間の時間のことです。
「パンッ」と音が鳴る一瞬のタイミングではなく、「パンッ」から「パンッ」までの間の時間です。
DAWのメトロノームをONにして再生ボタンを押すと、「カッカッカッカッ」と音が鳴りますが、これは「拍(ビート)」を刻むタイミングが分かるようにしているのです。
② 1拍の長さとBPMの関係
1拍の実時間の長さは、テンポ(BPM)によって決まります。
BPMが速くなると、1拍の時間は短くなります。
逆にBPMが遅くなると、1拍の時間は長くなります。
実際に、DAWのメトロノーム音を再生しながら、BPMを上げ下げしてみると分かりやすいです。
③ 拍と音符
ここまで、1拍、1拍と説明してきましたが、この1拍は、楽譜上の音符として表すと、
1拍=4分音符
になります。
4分音符とは、1小節を均等に4分割した長さの音のことです。
そのため、DAWでBPMを設定して、メトロノームを鳴らしたとき、「カッ」と鳴る1拍の長さは、基本的に、4分音符の長さになっています。
例えば、BPMが120の場合、1分間に4分音符が120回鳴っているということです。
④ 拍子(≒リズム)
「拍子(≒リズム)」とは、決められたタイミングで規則的に音が鳴るパターンのことです。
先ほど説明した「パンッ」の並び方のことです。
拍子の表記は、「4/4」とか、「3/4」という具合に表されます。
N/N拍子と表し、分母が1拍になる音符の種類、分子が1小節に入る音符の数を表します。
- 分子:1小節に入る音符の数
- 分母:1拍になる音符の種類
たとえば、4/4拍子は、1小節を4分割した音の長さで、1小節に4回音を鳴らすということです。
キックドラムの音が「ドンッ、ドンッ、ドンッ、ドンッ」と4回で1小節になっているEDMのリズムですね。
なお、3/4拍子なら、4分音符が3回で1小節。
2/4拍子なら、4分音符が2回で1小節になります。
このように、N/Nの表現しだいで、リズムは無数にあります。
ただし、世の中のほとんどの曲は、4分音符がベースとなって作られています。
DAWソフトでは、BPMの横に拍子の設定があります。
拍子を変更することで、変更した拍子に合わせて、メトロノームの音の鳴ります。
まとめ
音楽を作る上で最も重要な、リズムとテンポの考え方について、解説しました。
この記事で解説した内容のポイントをまとめると、以下の通りです。
- テンポはBPMによって決まる。
- 1拍は基本的に4分音符の長さ。
- 拍子は1小節に含まれる音符の数で決まる。
リズムとテンポが分かるようになれば、曲作りの際に、DAWでリズムを作るときに、めちゃくちゃ楽に作ることができます。
また、メロディーやバッキングを鳴らすリズムも作りやすくなります。
しっかり理解して、いろんなリズムパターンにチャレンジしてみてください。