「音源サンプルパックって、買っても、本当に使えるサンプルって限られてたりするし、もったいないよな~。」と思っている人へ。
そこで、そんな人におすすめな、クラウド型の音源サンプル配信サービス「Splice Sounds」について、その内容のレビューから使い方までを詳しく解説します。
この記事は、DTM歴7年で楽曲のリリース経験もある現役トラックメイカーが書いています。
- Splice Soundsとは?具体的に何ができるの?
- Splice Soundsの始め方や使い方は?
Contents
Splice Soundsとは?
「Splice Sounds(スプライスサウンズ)」とは、月額料金を支払うことによって数十万をこえる膨大な音源サンプルから、好きなものをダウンロードして使えるサブスクリプションサービスです。
ニューヨークのDistributed Creation社が運営している「Splice(スプライス)」のサービスのひとつで、Spliceのサービスは他にも以下のようなものがあります。
- Splice Sounds(サンプル音源)※本記事
- Splice Plugins(プラグイン)
- Splice Studio(プロジェクトファイル)
- Splice Community(データ共有)
この記事では、この中で最も人気のある音源サンプルのサブスクリプションサービスの「Splice Sounds」について解説していきます。
Splice Soundsには、月払い・年払いの2つのプランがあります。
各プランの料金とダウンロードできるサンプル数は、以下のとおりです。
プラン | サンプル数 | 価格 |
---|---|---|
月額プラン | 100 credits | 7.99ドル(約860円) |
300 credits | 13.99ドル(約1,500円) | |
600 credits | 21.99ドル(約2,400円) | |
年額プラン | 100 credits | 79.99ドル(約8,600円) |
300 credits | 139.99ドル(約15,000円) |
プランを開始すると、クレジット(credits)が与えられ、1つのサンプルをダウンロードするために、1クレジットを使う感じになります。
また、初めに14日間の無料トライアル期間が設けられています。
Splice Soundsで入手できるものは?
Splice Soundsで入手できるデータは、音声ファイルに限らず、以下のように多岐にわたります。
- 音声ファイル
- MIDIファイル
- プラグインのプリセット
- 作成したビート
Splice Soundsで入手できるデータは、全てロイヤリティフリー(商用利用可)となっており、ダウンロードしたサンプルを使って作った楽曲は、自由に販売することができます。
① 音声ファイル

Splice Soundsでダウンロードできるデータにおいて、メインとなるのが、音声ファイルのサンプルです。
ボーカルから、ピアノやドラムなどの楽器、効果音、環境サンプリング音まで、様々な種類の音源が揃っています。
なお、ダウンロードできるファイル形式は全てWAVになります。
② MIDIファイル

Splice Soundsでは、MIDIファイルも入手することができます。
MIDIファイルとは、DAWソフトのMIDIトラック(あるいはインストゥルメントトラック)に読み込ませてメロディーを再生することができる、ピアノロールの演奏情報のことです。
③ プラグインのプリセット
プラグインのプリセットは、プラグインに読み込ませることで、プラグインで選べるプリセット音色を増やすことができます。
世界中の人達によって作られたプリセットが簡単に手に入るので、シンセのパラメータを調整して音作りするのが苦手な人には、とてもおすすめです。

④ 作成したビート
Splice SoundsのWebサイトには、「Beat Maker」というシーケンス機能があり、Webサイトでオリジナルのリズムトラックを作成することができます。

また、作成したビートは、音声ファイル、MIDIファイル、DJ用ファイル、DAW(Ableton live)のプロジェクトファイルなど、好きな形式を選んでダウンロードすることができます。

Splice Soundsのメリットは?
Splice Soundsのサービスを利用することのメリットは、以下の通りです。
- 必要な素材だけを入手できる
- 余ったクレジットを繰り越しできる
- 検索がしやすい
① 必要な素材だけを入手できる

Splice Soundsの最大のメリットが、必要なファイルだけを1つづつ個別でダウンロードできることです。
サンプリングCDやパックなどを買った場合、結局使わずに終わってしまう音源も多いですが、Splice Soundsであれば、試聴してみて、実際に使えそうな音源だけを選んでダウンロードすることができます。
② 余ったクレジットを繰り越しできる

Splice Soundsは基本的に、月額プランとなりますが、使い切れなかったクレジットは、解約しない限り、繰り越しすることができます。
そのため、使わなかった月の支払いが無駄になりません。毎月クレジットを購入して貯めていくようなイメージですね。
③ 検索がしやすい

Splice Soundsには数十万もの膨大なデータがあるので、検索するのも大変です。
しかし、Spliceの検索画面には、キーワードだけでなく、ループorワンショットを選べたり、BPM(速さ)、Key(調)、楽器、ジャンル、などで絞り込むことができるのでとても便利です。
また、気に入ったサンプルを見つけたら、それに似た雰囲気のサンプルを検索してくれる機能まであります。

Splice Soundsを利用する上での注意点は?
次に、Splice Soundsを実際に使ってみて感じた、注意すべき点について説明します。
- サンプルによって音質がバラバラ
- 選択肢があり過ぎて選ぶのが大変
① サンプルによって音質がバラバラ

公開されている音声ファイルの音質がバラバラです。
サンプル音源のファイル形式は全てWAVになっていますが、解像度(kHz)やサンプルレート(bit)までは統一されていません。
また、ステレオかモノラルかも音源によって異なりますが、クレジットを消費してダウンロードするまで詳細は分かりません。
② 選択肢があり過ぎて選ぶのが大変

膨大なサンプル音源をもつSplice Sounds。それは利用する側にとって大きなメリットなのですが、選択肢が多すぎるため、選ぶのが大変です。
幸せな悩みかもしれませんが、選択肢が多すぎると人は選べなくなるともいいますし、なかなかダウンロードする音源を決められず、肝心の楽曲制作が進まないのであれば、本末転倒ですよね。
Splice Soundsの始め方は?
さっそくSplice Soundsを試してみたい!という人のために、始め方を紹介していきます。
Splice Soundsでは、最初に14日間無料でお試しすることができます。
Splice Soundsの始め方は、以下の手順です。
- ユーザー登録
- 無料トライアル申し込み
- アプリをインストール
① ユーザー登録
まず、Splice SoundsのWebサイトにアクセスします。
はじめに、Spliceのユーザー登録(無料)が必要になりますので、[Sign Up]か[Try for free]のどちらかをクリックします(どっちをクリックしても結果は同じです)。

ユーザー名、本名orアーティストネーム、メールアドレス、パスワードを入力したら、[I agree to Splice’s Terms & Privacy Policy(規約に同意する)]にチェックを入れてユーザー登録完了です。

入力したメールアドレス宛に確認メールが届きますので、メール本文にあるリンクボタンの[Confirm Email(確認)]をクリックする。

② 無料トライアル申し込み
ユーザー登録が完了して、ログイン(Log in)すると、[Try for free]から14日間無料トライアルの申し込みができます。

無料トライアルの場合、最初から有料プランで開始したい場合のどちらも同じで、あらかじめ利用するプランを選択する必要があります。
選択したプランは後からいつでも変更できますので、とりあえず最安の[Sounds 100(100サンプル)]を選んでおきましょう。

無料トライアル期間中にできることは?
ちなみに、無料トライアル期間中は、サンプルの検索・試聴のみが可能です。
1つでもサンプルをダウンロードすると、月額料金サービスが開始してしまうので注意しましょう。
サブスクリプションサービスによくあるパターンで、無料のまま終えるには14日間以内にサブスクリプションを手動で解約する必要があります。
③ アプリをインストール
次に、DAWソフトとSpliceのデータを連携するために、Spliceのデスクトップアプリをインストールします。
[Studio]→[Install Splice]の順か、[右上のユーザーのロゴ]→[Install]の順にクリックしてインストーラー(.exeファイル)をダウンロードします。

インストールが完了したらアプリを起動して、作成したSpliceのユーザーアカウントでログインします。
これでSplice Soundsを使うための準備が整いました。
Splice Soundsの使い方は?
Splice Soundsの使い方はとっても簡単です。手順にそって解説します。
- ブラウザからサンプルをダウンロード
- SpliceアプリからサンプルをDAWに貼り付け
① ブラウザからサンプルをダウンロード
基本的な使い方は、ブラウザで好きなサンプルを検索して、試聴して気に入ったものをダウンロードするだけです。

② SpliceアプリからサンプルをDAWに貼り付け
ブラウザでサンプルをダウンロードすると、自動でSpliceアプリに結果が反映されます。
Spliceアプリで[Samples]を選択して、ダウンロードしたサンプルを探します。
サンプルを見つけたら、DAWのオーディオトラックにドラッグ&ドロップして貼り付けるだけです。

Splice Soundsのプラン変更や解約方法は?
もしプランを変更したり、Splice Soundsを解約したくなった場合の方法についても参考までに紹介しておきます。
① プラン変更の方法
プランの変更やサブスクリプションの解除をしたい場合は、ブラウザからSpliceのWebサイトにログインして右上のアイコンから[Billing(請求)]をクリックします。

Billingのページの[YOUR PLANS(プラン内容)]のところにある、[Manage]をクリックします。

すると、プラン変更の画面に遷移しますので、変更したいプランを選択してクリックします。

② プラン解約の方法
サブスクリプションを解除する場合は、同様に[Manage]の画面で、画面を下にスクロールしていくと、[Cancen trial]のボタンが見えてきます。

なお、無料トライアル期間ではなく、有料プランを開始した後で、プラン解約する場合は、解約方法を以下の2つから選びます。
- Pause subscription:
アカウントを仮解除する。再びサービスを開始すると、余ったクレジットも使える。※ - Cancel subscription:
アカウントを完全に解除する。
※アカウントを仮解除してから、再度サービスを開始できるのは1~2ヵ月までです。
まとめ
Splice Soundsとは何か、そのメリット・デメリットや具体的な使い方について解説しました。
この記事で解説した内容のポイントをまとめると、以下の通りです。
- Splice Soundsとは、サンプル音源のサブスクリプションサービス。
- 音声ファイル・MIDIファイル・プリセット・ビートがダウンロードできる。
- 必要な素材だけをダウンロードできて、クレジットも繰り越しされるのでお得。
- 数十万以上のサンプルがあるので探すのは大変。
- 一度試してみる価値は十分にある。
- 今後、サービス価格が上がることが予想される。
Splice Soundsは、有効に使えば、とても便利なサービスなので、ぜひ活用してみてください。
なお、Spliceの他のサービスについても知りたい人は、以下の記事もチェックしてみてください。