「トニック、ドミナント、サブドミナントって聞いたことあるけど、何のことなの?」「それを知って何がうれしいの?」という人へ。
DTM歴7年で楽曲リリース経験のある現役トラックメイカーが、トニック、ドミナント、サブドミナントについて、初心者向けに分かりやすく解説します。
- トニック、ドミナント、サブドミナントとは?
- これらは何をするためのもの?
Contents
トニック、ドミナント、サブドミナントとは
トニック、ドミナント、サブドミナントとは、音楽のコード(和音)の持つ役割のことです。
コード(和音)には、出だしで使うコード、終わりに使うコードなど、それぞれ役割(使いどころ)が決まっており、それによってコード進行が決まります。
ちなみに、「コードそもそも何?」という人は、先に以下の記事から読んで頂くことをおすすめします。
この記事では、それぞれのコードの役割について、より詳しく解説していきます。
コードの役割の種類は、以下の通りです。
- トニック(T)
- ドミナント(D)
- サブドミナント(S)
- サブドミナントマイナー(SM)
それでは、それぞれのコードの役割を解説していきます。
トニック(T)とは
「トニック(主音)」とは、スケール(音階)の最初の音(階名:Ⅰ)をルート音にしたコードで、Cメジャースケールなら、「C」に該当します。
また、3番目(階名:Ⅲ)の「Em」、6番目(階名:Ⅵ)の「Am」も代理コードといって、「C」と同様にトニックと同じ役割として使うことができます。
トニックは最も安定している状態の音で、感情のイメージとしては、落ち着く、安定感、終止感がある、などです。
進行の特徴としては、フレーズの始めや終わりで使われ、どの役割のコードにも進行できます。
ドミナント(D)とは
「ドミナント(属音)」とは、スケール(音階)の5番目の音(階名:Ⅴ)をルート音にしたコードで、Cメジャースケールなら、「G」に該当します。
また、7番目(Ⅶ)の「Bdim」も代理コードとして、使用することができます。

ドミナントは、不安定な状態の音で、感情のイメージとしては、クライマックス・緊張・不安などです。
進行の特徴としては、フレーズの途中で使われ、トニック(T)に進みたがります。

サブドミナント(S)とは
「サブドミナント(下属音)」とは、スケール(音階)の4番目の音(階名:Ⅳ)をルート音にしたコードで、Cメジャースケールなら、「F」に該当します。
また、2番目(Ⅱ)の「Dm」も代理コードとして、使用することができます。

サブドミナントは、少し不安定な状態の音で、感情のイメージとしては、何か始まりそうな予感がする音です。
進行の特徴としては、フレーズの途中で使われ、どのコードにも進行できます。

サブドミナントマイナー(SM)とは

知らない人が多いかもしれませんが、サブドミナントマイナー(SM)というコードの役割も存在します。
「サブドミナントマイナー(SM)」とは、「サブドミナント(S)」をマイナーコードにしただけのものです。
先ほど説明した通り、「サブドミナント(S)」は、音階の4番目の音(音階:Ⅳ)をルート音にしたコードなので、Cメジャースケールなら、「F」に該当しましたよね。
その「F」をマイナーコードにするので、「Fm」になります。
また、2番目(Ⅱ)の「Dm」を変化させた「Dm7dim」なども代理コードとして使うことができます。
サブドミナントマイナーも、サブドミナント同様、少し不安定な音です。
進行の特徴としては、サブドミナント(S)以外のどのコードにも進行できます。

コードの役割から決まる並び順
先ほど説明したコードの役割によって、コード進行の並び順については、だいたいパターンが決まってきます。
この、コード進行のパターンのことを「カデンツの法則」といいます。
それでは、どんなパターンがあるのか解説していきます。
- 3つのコードのパターン
- 4つのコードのパターン
- 5つのコードのパターン
3つのコードのパターン
たとえば、3つのコードで展開を作るときは、以下のような感じです。
- T → D → T
(例:C → G → C) - T → S → T
(例:C → F → C) - T → SM → T
(例:C → Fm → C)
4つのコードのパターン
また、4つのコードで展開を作るときは、こんな感じです。
- T → S → SM → T
(例:C → F → Fm → C) - T → S → D → T
(例:C → F → G → C) - T → SM → D → T
(例:C → Fm → G → C)
5つのコードのパターン
5つのコードで展開を作るときは、こんな感じです。
- T → S → SM → D → T
(例:C → F → Fm → G → C)
もちろん、音楽理論に絶対はないので、これ以外の並びでコード進行をつくっても全然問題ありません。
ただ、世の中のほとんどの音楽のコード進行は、カデンツの法則通りの並びになっているということは事実です。
まとめ
音楽のコードの持つ役割について、詳しく解説してみました。
この記事で解説した内容のポイントをまとめると、以下の通りです。
- トニック(T):階名Ⅰ・Ⅲ・Ⅵのダイアトニックコード
- ドミナント(D):階名Ⅴ・Ⅶのダイアトニックコード
- サブドミナント(S):階名Ⅱ・Ⅳのダイアトニックコード
- サブドミナントマイナー(SM):サブドミナントをマイナーにしたもの
コードの役割を知ることは、コード進行を作るためにとても重要です。
役割を理解して、どんどん曲作りをしていきましょう。
という人は、以下の記事も参考にしてみてください。
その他の音楽理論の記事については、以下にまとめています。