これからDTMを始める人、または始めたばかりの人へ。
DTMで曲を作れるようになりたいけど、一体、何から始めれば良いのか分からないですよね。
そこで、DTM歴7年で国内外から楽曲リリース経験のあるトラックメイカーが、DTMに必要な知識や、初心者DTMerがまず最初にやるべきことについて解説します。
- DTM初心者に必要なスキルとは?
- 初心者は何から始めればよい?
Contents
DTM初心者は何から始めれば良いのか?
まずは結論から説明します。
DTM初心者は、自分が作りたいと思う曲を何回も聞いて、そのアーティストがどのように曲を作っているか研究することから始めましょう。
具体的には、以下の作業を繰り返すことでスキルアップを図ります。
- リファレンス曲を聴く。
- 真似してみる。
- 知識を学ぶ。
それでは、なぜこのやり方が、最も効率的なのかを、以下の順番に解説していきます。
- DTM初心者にはどんなスキルが必要?
- DTMにおける曲作りの手順とは?
- これらを踏まえて初心者が最初にやることは?
DTM初心者にはどんなスキルが必要?
そもそも、DTMに必要なスキルとはどんなものがあるのでしょうか。
必要なスキルは多岐に渡りますが、大きく分けると以下の2通りです。
- 音楽的な知識
- 技術的な知識
① 音楽的な知識
これはDTMに限った話ではないですが、作曲するためには、音楽的な知識が必要になります。
具体的には、以下のような知識です。
- 音楽理論
- レコーディング
- 打ち込み
- 音作り
- アレンジ
- ミックス
- マスタリング
② 技術的な知識
こちらは逆にDTMに限った話ですが、DTM機材を使いこなすための、技術的な知識が必要になります。
具体的には、以下の機材に関する知識です。
- パソコン/モバイル端末
- DAW
- オーディインターフェイス
- MIDIキーボード
- プラグイン
DTMにおける曲作りの手順は?
次に、DTMでの曲作りはどのように行われるのかについて解説します。
DTMを使って曲作りをする場合の、一般的な手順は以下の通りです。
- パート構成を決める。
- フレーズを作る(録音/打ち込み)。
- 音作り&各パートの相性チェック。
- 展開を作って曲を構成する。
- 聴こえのバランスを整える。
① パート構成を決める。
一般的に、バンドを組むときは、
みたいな感じで、楽器のパート構成を決めますよね。
同じように、DTMで楽曲を作るときも、まず初めに、パートの構成を決める必要があります。
つまり、どのパートを打ち込みで作って、どのパートを実際の演奏を録音して作るかを決めるということです。
参考として、以下のパートは、打ち込み(ソフト音源)で作られることが多いです。
- 位:シンセ
- 位:ピアノ
- 位:ドラム
- 位:ベース
- 位:ギター
パート構成を決めるにあたって、DTMの機材に関する基本的な知識をこれだけ知っておく必要があるので、最初にしていきなり最大の難関といえます。
このフェーズにおいて必要な知識は、以下の通りです。
② フレーズを作る(録音/打ち込み)。
メロディーやコードなど何でも良いので、曲作りのきっかけとなるフレーズを作っていきます。そして、最初に作ったフレーズを起点にして、曲の展開のために複数のパターンを作っていきます。
これはDTMで一番大事な作業で、思いついたフレーズが、これから作る曲に合わなさそうな場合であっても、とりあえず、アイディアは作り溜めて保存しておくことをおすすめします。
色々なフレーズを作ることによって、曲の構成や展開などの全体像が自然と見えてきます。
このフェーズにおいて必要な知識は、以下の通りです。
③ 音作り&各パートの相性チェック。
作り溜めたいくつかのフレーズを同時に演奏して(ジャムセッションという)、相性が良いかをチェックしていきます。
その際に、プラグインの音色やピッチなども差し替えながら、相性が良くなるように調整していきます。
相性をチェックする際には、4小節程度のひとかたまりをループ再生させながら、組み合わせるフレーズを差し替えていくと、効率的です。
ちなみに、DAWソフトの「Ableton live」は、このセッション作業を行うための専用の機能をもっているため、とても作業がやりやすいです。
フレーズ作りと、相性チェックの作業を繰り返していくことで、曲の形がより具体的に見えてきます。
このフェーズにおいて必要な知識は、以下の通りです。
④ 展開を作って曲を構成する。
相性のよいパートの組み合わせが出来れば、もうすでに楽曲としての形が見えてきていると思います。
後は、聴く人を飽きさせないように、展開を作って曲を構成していくだけです。
このフェーズにおいて必要な知識は、以下の通りです。
⑤ 聴こえのバランスを整える。
曲の構成が仕上がったら、全体の音量バランスを確認しながら、気持ちよく聴こえるように調整していきます。
このフェーズにおいて必要な知識は、以下の通りです。
DTM初心者が最初にやることは?
ここまでの説明を聞くと、
という気持ちになってしまうかもしれません。しかし、実際にはそこまで構える必要はありません。
「楽しい!」というモチベーションを保ちながら、効率よくスキルアップするために、初心者が最初にやるべきことは、以下の通りです。
- リファレンス曲を聴いて分析する。
- マネして曲を作ってみる。
- 行き詰ったらセオリーを知る。
① リファレンス曲を聴いて分析する。
DTM初心者は、自分が作りたいと思う曲を何回も聞いて、そのアーティストがどのように曲を作っているか研究することから始めましょう。
まず、お手本とする「リファレンス曲(参考曲)」を見つけてください。
好きなアーティストの曲で、「こんな感じの曲が作れるようになりたい!」というものを選べば良いです。
リファレンス曲の音源(WAVでもMP3でもOK!)を入手したら、DAW上のオーディオトラックに取り込みます。
そして、お手本のトラックにスペクトラムアナライザを挿します。
「スペクトラムアナライザ」とは、音源の周波数を波形で表示して解析出来るツールで、ほとんどのDAWに標準で装備されています。
お手本のトラックを波形で視覚的に確認して、どんな周波数帯域に音が集まっているかなどを確認していきます。
② マネして曲を作ってみる。
リファレンス曲を自分なりに分析してみたら、ここからマネして同じような曲をつくってみます。要するに「耳コピ」するわけです。
ただし、時間の無駄なので、全く同じように曲を作る必要はありません。コピーを作ること自体に意味はないからです。
具体的には、以下のようにやってみてください。
- メロディーラインをマネして打ち込みながら、どんな動き方をしているかを知る。 (打ち込みを覚える)
- 既存のコード一覧表を見ながら、どんなコードが使われているのかを知る。 (音楽理論を知る)
- プラグインのプリセット音を変えながら、シンセの音色はどんなものを使っているのかを知る。 (音作りに慣れる)
- どのタイミングで盛り上げて、どこで落ち着かせているか、展開の仕方を知る。 (アレンジのやり方)
- 各パートの音量バランスや、周波数分布がどうなっているかを確認する。 (ミックスのやり方)
この方法であれば、好きなアーティストの曲なので、飽きにくいですし、作業を繰り返していけば、自然とDTMに必要なスキルが身についてきます。
少し慣れてきたら、そのアーティストの曲からヒントを得て、自分なりに作ったフレーズを組み合わせてオリジナル楽曲を作ってみましょう。
ちなみに、作った曲が、「パクり」になるかどうかは、完成した楽曲を、人に聴いてもらって判断しましょう。
③ 行き詰ったらセオリーを知る。
という感じになってきたら、あなたは、もうすでに初心者を卒業しています。
ここからステップアップするためには、やはり知識を学ぶことが効率的です。
楽曲制作の方法に正解はありませんし、音楽理論も必ずしも必要ではありませんが、効率良く作曲するためのセオリーはあります。
多くのトラックメイカーがそれを学び、実践しています。
以下の特集記事を参考にして、音楽制作のセオリーを勉強してください。
または、教則本を使って勉強するのも良いでしょう。
まとめ
DTMに必要なスキルや、初心者DTMerが何から始めれば良いのかについて、解説しました。
この記事で解説した内容のポイントをまとめると、以下の通りです。
- DTMには音楽的な知識・技術的な知識の両方が必要。
- DTMにおける曲作りの手順を知ろう。
- DTM初心者が最初にすべきことは、マネと勉強の両方。
楽曲制作やDTMに絶対の正解はありませんので、この記事で紹介した方法で必ず成功するとは限りません。
結局は、どれだけ続けられるかという努力の度合いによると思います。