音楽におけるコードについて、「聞いたことはあるけど、曲作りにどのように活かせば良いのか、イマイチよく分かってない!」という人へ。
DTM歴7年の現役トラックメイカーが、全く知らない人でも、コードを理解して曲作りに活かせるように、分かりやすく解説します。
- コードって何?
- コードを知っていると曲作りにどう活かせるの?
Contents
音楽のコードとは?
「コード(和音)」とは、同時に演奏された2つ以上の音のことです。
厚みのある響きが特徴で、単音のメロディーラインを引き立たせるための「背景」のような役割を担っています。
基準となる単音に、音を重ねることでコードを作ることができます。
音楽のコードの作り方は?
それでは、実際にコードを成り立たせている要素について説明します。
コードは、以下の3つの要素によって成り立っています。
- ルート音
- 重ねる音の数
- 重ねる音のインターバル
① ルート音
「ルート音(根音)」とは、コードにおいて、一番音程の低い音のことです。
ルート音は、C(ド)~B(シ)までの音階で、12個存在します。ルート音を基準として、異なる音を足すことでコード(和音)を作ります。
ベースなどの音域が低い楽器においては、ローインターバルリミットの問題があるため、ルート音だけを演奏する場合が多いです。
ちなみに、ルート音は「トニック(主音)」とよく混同されがちですが、トニックはスケール内の基準となる音のことです。
② 重ねる音の数
コードを構成する音の数は、主に以下の通りです。
色々な種類があってややこしそうに見えますが、ルールはとても単純です。
- 2和音(ダイアド)
- 3和音(トライアド)
- 4和音(テトラッド)
- 5和音
2和音コード(ダイアド)
ロックやパンクのギターでよく使われるパワーコードです。
構成音が2つだけなので、音の濁りが少なく、とてもインパクトのある響きになることから、パワーコードと呼ばれています。
2和音の構成音は、ルート音(Root)、3度(3rd)です。
- ルート音(Root)
- 3度(3rd)
3和音コード(トライアド)
和音の中で、最もよく使われるコードです。メジャーコード、マイナーコードをはじめとして様々な種類があります。
3和音の構成音は、ルート音(Root)、3度(3rd)、5度(5th)です。
- ルート音(Root)
- 3度(3rd)
- 5度(5th)
4和音コード(テトラッド)
セブンスコードやシックススコードです。3和音よりも、オシャレな響きが特徴です。
4和音の構成音は、3和音に、シックススコードなら6度(6th)を、セブンスコードなら7度(7th)を足しただけです。
- ルート音(Root)
- 3度(3rd)
- 5度(5th)
- 6度(6th) or 7度(7th)
5和音コード
テンションコードと呼ばれる和音です。ジャズなどで多用されます。
5和音の構成音は、4和音をベースとして、さらに1音追加することで作られます。
- ルート音(Root)
- 3度(3rd)
- 5度(5th)
- 6度(6th) or 7度(7th)
- 任意(9、11、13など)
③ 重ねる音のインターバル
ルート音と、足した音のインターバルによって、メジャーやマイナーなどのコード名が決まります。
例として、メジャースケールの構成音で、ルート音を「C(ド)」として、2つ音を足して構成される3和音を作ってみます。

- ルート音(Root)は、「C(ド)」です。
- 3度(3rd)は、「E(ミ)」です。
- 5度(5th)は、「G(ソ)」です。
これで、「CEG(ドミソ)」という3和音が出来上がりました。
ここで、こちらのページを参照して、この3和音の構成音のインターバルを確認します。
すると、ルート音(Root)である「C(ド)」と、3度(3rd)の「E(ミ)」のインターバルは、半音4つで「長3度(Major 3rd)」になっていることが分かります。

構成音に長調(Major)が含まれていれば、そのコードの調は、長調(Major)になります。
よって、この3和音は、ルート音が「C」で調が「長調(Major)」の「Cメジャーコード(CMaj)」になる訳です。
同様にルート音(Root)を「F」として3和音をつくると、Fマイナーコードになります。

なお、スケールからつくられたコードは、それぞれ、以下の通りになります。
- メジャースケールの構成音でつくった3和音
=「メジャーコード」 - マイナースケールの構成音でつくった3和音
=「マイナーコード」
なお、C~Bをルート音とした12種類のコードのことを、「ダイアトニックコード」といいます。
ダイアトニックコードについては、以下の記事でより詳しく解説しています。
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音楽のコードを知るメリットは?
コードを知ることで、曲作りにおいてどんなメリットがあるのでしょうか。
コードを知るメリットは、以下の通りです。
- 曲の展開がつくれる
- メロディーが作りやすい
① 曲の展開がつくれる
良いメロディーを1フレーズだけ作っただけでは曲は完成しませんよね。
曲には展開があり、タイムラインに沿って曲が進むにつれて、メロディーも変わっていきます。
コード理論をしらない場合、ひとつのメロディーから、他のパターンを展開させていくのはとても大変です。
コードを理解していれば、メロディーに合うコードを見つけやすいです。また、コード進行を理解することで、そこから展開出来るコードを見つけられます。
② メロディーが作りやすい
コードを決めると、そのコードに合うメロディーが作りやすくなります。
というのも、コードを構成している音を使ったり、同じスケールの音を使うことで、コードにマッチしやすくなるためです。
という心配をされる人もいるかと思います。
しかし、完全にコードの知識なしで作曲するのは、かなり無理があります。というか時間がかかりすぎるし、ネタもすぐに尽きてしまいます。
どのような順番で並べればよい?
コードを順番に演奏することで、曲に展開をつけることができます。
このコードの並びのことを、「コード進行」といいます。
コード進行の作り方については、以下の記事で詳しく解説していますので、チェックしてみてください。
まとめ
コードを成り立たせている要素や、コードの作り方について解説しました。
この記事で解説した内容のポイントをまとめると、以下の通りです。
- コード(和音)とは、同時に演奏された2つ以上の音。
- コードはルート音、重ねる音の数、重ねる音の音階で成り立つ。
- コードを知ると、効率よく作曲できるようになる。
コードは、ポップスをはじめとして、ほとんどの楽曲を作曲するために必須となる知識です。
ぜひ理解して、自分のものにしましょう。