「ローインターバルリミットって何?」「ローインターバルリミットってどうやって決めれば良い?」という人へ。
DTM歴7年で楽曲リリース経験のある現役トラックメイカーが、ローインターバルリミットについて、初心者向けに分かりやすく解説します。
- ローインターバルリミットとは?
- ローインターバルリミットの決め方は?
Contents
ローインターバルリミットとは
「ロー・インターバル・リミット(Low Interval Limit)」とは、和音として2つ以上の音を同時に鳴らすときに、濁らないで聞くことが出来る、低い音の限界値のことです。
低い音は濁りやすい
低域は、倍音どうしが被りやすいので、音が濁りやすいです。
周波数バンド毎で比べると、低域の幅はとても狭いことが分かります。
そのため、音が被りやすいのです(厳密には、倍音の被りが、出音に影響を与えやすいということです)。
- 0~100Hzの幅:100Hz
- 100Hz~1kHzの幅:900Hz
- 1kHz~10kHzの幅:9,000Hz
低域はミックスでこもりやすい
音楽制作のミックスをするときに、ベースとキックの音が被って、音が「モコモコ」、「モワモワ」してしまうことが多々ありますが、これも低域で音の濁りが発生している状態です。
ただでさえ、周波数の範囲が狭くて音が被りやすいデリケートな領域なので、パワフルなキックやベースを鳴らすときは、特に注意が必要なのです。
ローインターバルリミットの目安は?
ピアノロールで見たときに、以下がそれぞれのインターバル(音程)における「限界(最低音)」となり、一般的には、これより音が低くなると、音が濁ると言われています。
ただし、こちらはあくまで目安です。
実際のローインターバルリミット値は、3和音や4和音に比べて、重ねる音の数の少ない2和音の方が、濁りにくい傾向にありますし、鳴らす楽器の種類によっても変わってきます。
また、ダークな雰囲気を狙って、あえて濁るとされている音程を使用しているような楽曲もあります。
そのため、実際のところ、「耳で濁り具合を判断する」のが一番良い方法です。
ローインターバルリミットの決め方は?
そこで、ローインターバルリミットの決め方をご紹介します。
ローインターバルリミットの判断の仕方は、以下の通りです。
- 和音のキーを下げながら、鳴りを確認する
- 大きい音で聴いて、違和感がある所で止める
① 和音のキーを下げながら、鳴りを確認する
たとえば、シンセベースで「Cメジャー」のコードを鳴らします。
音を再生しながら、徐々にピアノロールで下方向にMIDIノートをズラしていきます。
音を聴いて「聴こえづらい」と感じたら、逆に上方向に戻していきます。
この調子で、「ここら辺が限界かな?」というポイントを探していきます。
② 大きい音で聴いて、違和感がある所で止める
低音は、そもそもモニタースピーカーでは聞こえにくいため、小さい音で聴いても、濁っているかどうか分からない場合があります。
そのため、モニターヘッドホンを使って大きな音で低音を聴いてみましょう。
まとめ
ローインターバルリミットについて解説しました。
この記事で解説した内容のポイントをまとめると、以下の通りです。
- ローインターバルリミットとは、濁らないで聴ける低音のこと。
- 目安はあるが、実際には自分の耳で確認するのが一番。
- 低音が良く聴こえるモニター環境で濁りを聞き分けよう。
ローインターバルリミットは、ミックスを上手く行うために、とても重要な知識です。
「低域を制する者はミックスを制する」と思いますので、ぜひローインターバルリミットを意識しながら、音作りをしてみてください。