DTMをする上で、無くてはならない「プラグイン」。
これからDTMを始めようとされている人は、プラグインはなぜ必要なのか?DAWとプラグインの関係って何?という方も多いと思います。
そこで、今回はプラグインの役割と機能について、全く知らない初心者の人でも理解できるように、分かりやすく説明していきます。
- プラグインって何?
- プラグインの種類はどんなものがある?
- 無料プラグインと有料プラグインの違いや、購入時に注意することは?
プラグインとは?
プラグインとは、DAWを機能拡張するためのソフトウェアのことです。ソフト音源とも呼ばれます。
DAWの各トラックに挿して使うため、「plug(挿し込む)」「in(中に)」と言います。
こんな感じでDAW上でプラグイン(この例ではソフトシンセ)を立ち上げられます。
プラグインはどこにある?
プラグインの入手方法は、主に以下の2パターンです。
- DAWに最初から付属しているプラグイン。
- 別途、ダウンロードしてDAWに読み込ませて使うプラグイン。
① DAWに最初から付属しているプラグイン
多くの有料DAWソフトには、最初から必要なプラグインがいくつか付属しています。
また、ほとんどのDAWソフトには、初心者向けの入門版から、プロ向けの上位版など、複数のエディションが存在しており、エディションによって付属しているプラグインの数は異なります。
最初に欲しいプラグインが入っているかどうかで、DAWを選ぶのもオススメです。
② 別途、ダウンロードしてDAWに読み込ませて使うプラグイン
プラグインには、DAWとは別に、オンラインサイトなどでダウンロード購入できるものがあります。
また、インターネット上には、無料のプラグインもたくさん存在しています。
プラグインにはどんな種類がある?
プラグインの種類は大きく分けて以下の2つです。
- ソフト音源
- プラグインエフェクト
① ソフト音源
ソフト音源タイプのプラグインは、DAW上でピアノやギターなどの楽器音を再現した音を演奏できます。
このプラグインは、DAW上の任意のトラックに挿し込むだけで、DAW上で作成するMIDI信号を受けて演奏することができます。
最大の魅力は、楽器が弾けない人でも、MIDIを打ち込むだけで楽器音を再現したサウンドを簡単に作成できることです。
代表的なソフト音源の種類
- シンセサイザー(ソフトシンセ)
- ピアノ、キーボード
- ギター、ベース
- ドラム、パーカッション、リズムマシン
- ボーカル(ボーカロイド)、コーラス
- オーケストラ楽器(管楽器、弦楽器)
② プラグインエフェクト
トラックの音を加工したり整えたりするために使うプラグインです。
エフェクトタイプのプラグインは、音を加工する機能に特化しています。
DAW上で作成した、ソフトシンセやオーディオのトラックに挿し込むだけで、そのトラックの音源に、様々なエフェクト効果を与えることができます。
代表的なプラグインエフェクトの種類
- 空間系(ディレイ、リバーブ)
- 揺らし系(コーラス、フランジャー、フェイザー、トレモロ)
- 歪み系(オーバードライブ、ディストーション)
- ダイナミクス系(コンプレッサー、リミッター、マキシマイザー)
- フィルター系(フィルター、ゲート)
- 周波数調整系(イコライザー)
プラグイン購入時の注意点
プラグインを購入する前に確認しておくべき内容は、以下の2点です。
- システム要件(OS、bit、スペック)
- プラグイン形式
① システム要件(OS、bit、スペック)
プラグインは、さまざまな環境(パソコンだったら、WindowsかMacなど・・)で使われます。
しかし、どんな環境でも使えるかというと、そうではないです。
そのため、プラグインのシステム要件を確認して、自分が使うパソコンでちゃんと動作することを確認しておきましょう。
プラグインを販売している公式サイトには、こんな感じで対応スペックが記載されています(こちらはパソコン用プラグインの例です)。
システム要件
Windows 8かそれ以上 (最新Service Pack, 32/64-bit)
スペック:Intel Core 2 Duo or AMD Athlon 64 X2 以上
macOS 10.12かそれ以上(最新アップデート, 32/64-bit)
スペック:Intel Core i5 以上
ここで、チェックしておくべきポイントは、以下の通りです。
- 自分のパソコンのOSに対応しているか?
- 自分のOSのbit数と合っているか?
- パソコンのスペックは条件を満たしているか?
ちなみに、MacのOS Mojave以降は、32bitのプラグインは動作保証外となっています。
なお、モバイル端末については、こちらの記事に記載しています。
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② プラグイン形式
プラグインには規格があり、その形式に対応していないDAWでは使えません。
プラグインの形式の中で、代表的なものが以下の3つです。
- VST(Virtual Studio Technology)
- AU(AudioUnit)
- AAX(Avid Audio eXtension)
① VST (Virtual Studio Technology)
Steinberg社が開発したプラグインの形式で、Windows/Mac両方に対応しているものが多いです。
VST形式のソフトシンセは「VSTシンセ」や「VSTi」とも呼ばれています。
VST規格には、以下のバージョンがあります。
VSTのバージョン | 特徴 |
---|---|
VST2 | ・一般的にVSTプラグインと呼ばれているもの。 ・ファイル拡張子は「.dll」 |
VST3 | ・VST2の機能を拡張したもの。 ・PCへの負荷が少なく、より動作が安定する。 ・ファイル拡張子は「.vst3」 |
ただし、一般的にVSTプラグインと言えば、そのほとんどがVST2です(2020年現在)。
② AU (AudioUnit)
対応しているDAWが、Garage BandやLogicなど、MacOS対応のものが多いです。
なお、Logicについては、2020年現在、AUにしか対応していません。
③ AAX (Avid Audio eXtension)
Pro Toolsを開発しているAvid社独自のプラグイン形式です。
Pro Toolsでは、これ以外の形式のプラグインは使えないため、注意してください。
Windows/Macで使えるプラグイン規格
Windows/Macで使えるプラグインの規格をまとめると、以下の通りです。
OS | 使えるプラグイン規格 |
---|---|
Windows | ・VST ・AAX(Pro Toolsのみ対応) |
Mac | ・VST ・AU ・AAX(Pro Toolsのみ対応) |
無料プラグインってどうなの?
世の中には、無料のプラグインがたくさんあります。
できればお金をかけたくないですし、無料で良いものがあれば、それを使いたいですよね。
では、「有料」「無料」って、それぞれ、実際には、何が違うのでしょうか?
無料プラグインの実際のところ
無料プラグインには、下記のような注意点があります。
- 対応形式が限られている。
- 動作保証が無い。
① 対応形式が限られている。
基本的に、無料のプラグインの多くは、VST形式のみに対応しています。
そのため、AAXという特殊なプラグイン形式だけしか使えない、ProToolsを使う予定の方は、無料のプラグインの恩恵を受けられないことになります。
② 動作保証が無い。
また、無料プラグインは、動作保証がありません。
そのため、せっかく気に入ったプリセット音を作って保存していたのに、いきなり立ち上がらなくなった!といったトラブルが起こっても誰も責任を取ってくれません。
ただし、それでも無料とは思えないほど、クオリティの高いプラグインは確かに存在します。
私が実際に使ってみて良かった(多分ウィルスもなさげ)無料プラグインについては、コチラの記事でまとめています。
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有料プラグインは安心
有料プラグインの場合、対応形式については、VSTやAUはもちろんのこと、AAXに対応しているものも多いです。
また、メーカーとして公式のサポートがありますので、安心ですよね。
ただし、導入コストがかかってしまうため、本当に必要なものを選定しましょう。
プラグインの使い方
プラグインの使い方については、以下の記事で詳しく解説しています。
おすすめプラグイン
おすすめのプラグインを紹介します。
まとめ
この記事では、プラグインとは何か?に対する答えから、無料プラグインの実際のところ、そして有料プラグインを購入する際に注意すべき内容まで、知っておいて得する情報を幅広く解説しました。
この記事の内容を、まとめると以下の通りです。
- プラグインとは、DAW上で立ち上げて使えるソフト。
- ソフト音源(ソフトシンセなど)とエフェクトプラグインの2種類がある。
- DAWに最初から付属しているプラグインもある。
- 使用する際は、規格形式などに注意すること。
- 無料プラグインは、使うのにリスクがある。
DTMerにとって、もはやプラグインは無くてはならない存在です。
ぜひ、自分に合ったプラグインを見つけて、曲に磨きをかけてください。
さっそくDTMを始めたい!もっとDTMについて詳しく知りたい!と思われた方は、以下の特集ページをチェックしてみてください。