「スケール(音階)」という用語を、聞いたことはあるけど、「イマイチ分からない!」というDTM初心者の人へ。
スケールを知らなくても、曲やメロディーを作ることはできますが、知っておくと、しっくりくるメロディーが、簡単に作れるようになるため、効率よく楽曲制作ができます。
そこで、DTM歴7年で国内外から楽曲リリース経験のあるトラックメイカーが、「スケール(音階)」について、分かりやすく解説します。
- スケール(音階)とは?
- スケール(音階) を知るメリットは?
Contents
スケール(音階)とは?
スケール(音階)について、解説する前に、まずは「トニック」を理解しましょう。
トニック(主音)とは?
「トニック(主音)」とは、1オクターブ内の基準となる音のことです。
カラオケで例えると、「キー」のことです。
曲やメロディーを作る時には、まずそのトニックを決める必要があります。
鍵盤上のどの音をトニックにしても、問題ありません。
そして、決定したトニックは、スケール(音階)の開始音になります。
スケール(音階)とは?
スケール(音階)とは、1オクターブ内の音を、とあるルールに従って、主音から順番に並べたもののことをいいます。
例えば、C(ド)をトニックとすると、「C・D・E・F・G・A・B」と並べたものが「Cメジャースケール」です。
そして、このCメジャースケールの並び方をそのままにして、基準の音であるトニックの位置を半音ずつズラしていくと、
Cメジャースケール
C#メジャースケール
Dメジャースケール
D#メジャスケール
Eメジャースケール
・
・
・
G#メジャースケール
Aメジャースケール
A#メジャスケール
Bメジャースケール
という具合に、トニックの違う12個のスケールに変わっていきます。
なお、「#(シャープ)」は、「半音高い音」を意味しており、ピアノの黒鍵を含めてひとつ隣の音です。
ちなみに、「半音低い音」を意味する「♭(フラット)」を使って表現してもOKです。
ピアノロール上のスケール
さっそく使える知識として、より分かりやすくするために、DAWのピアノロール画面で、「Cメジャースケール」を打ち込んでみます。
Cメジャースケールは、白鍵の位置だけに、Cから順番に音を7個配置します。
DAWのピアノロール上では、白鍵と黒鍵で色が分けてあるので、とても分かりやすいですね。
そして、全体の並び方はそのままにして、全体の位置をズラしてみます。
すると、このように、トニックの違うメジャースケールになります。
ピアノの鍵盤の場合、ズラすといっても、黒鍵の位置が微妙なところにあるので、ややこしいのですが、ピアノロールは白鍵・黒鍵ともに連続した行で並んでいるため、見た目に分かりやすいと思います。
スケールの音の数
1オクターブ内には、半音で数えると12個の音が存在しますが、メジャースケールには、7個の音しか登場しません。
例えば、Cメジャースケールの場合、「C・D・E・F・G・A・B」の7個だけです。
この7個の音だけを使ってメロディーラインを作ると、メジャースケールのメロディーになる訳です。
また、スケールには、7個の音を使うものと、5個の音を使うものがあります。
スケールの種類 | 代表的な音階 |
---|---|
5音スケール | ・ペンタトニックスケール ・ブルーススケール |
7音スケール | ・メジャースケール ・マイナースケール |
それが、気持ち良く聴こえる音の組み合わせだからです。
そのため、他の音を入れると、ちょっと違和感を感じるように聴こえてしまうのです。
スケールは、主音の位置・並べ方・音の数によって、「〇〇スケール」という名前の〇〇の部分が変わります。
そのため、「7個か5個だけ」といっても、その組み合わせは、数えきれないほどにあります。
スケール(音階)を知るメリットは?
では、スケールを知っておくメリットについて、もう少しまとめてみます。
メリットは、以下の通りです。
- 気持ち良いメロディーが作りやすくなる
- 世の中のほとんどの曲がスケールに従っているから
① 気持ち良いメロディーが作りやすくなる
そもそも、スケールは「一緒に使うと気持ちよく聴こえる音の組み合わせ」をチームにしたものです。
過去の音楽家達が研究を重ねてきた結果により、すでに世の中には、数えきれないほど、たくさんのスケールがあります。
そして、私達は、それを流用させてもらうだけで、「気持ち良く聴こえる」メロディーを簡単に作ることができるのです。
そのため、スケールを活用しない手はないです。
② 世の中のほとんどの曲がスケールに従っているから
世の中の有名な曲のほとんどは、既存のスケールに従っています。
また、ポップスのほとんどは、「メジャースケール」か「マイナースケール」で作られています。
なぜなら、この2つのスケールが一番、耳にしっくり来て、印象に残りやすいからです。
そのため、一人でも多くの人の耳に印象を残したい商業音楽のジャンルでは、どうしてもこれらのスケールを多用するのです。
まとめ
音楽理論において、最も重要な考え方であるスケール(音階)について、解説しました。
解説した内容をまとめると、以下の通りです。
- スケール(音階)は、トニック(主音)から順番に、ルールに従って音を並べたもの。
- スケールには、7個の音を使うものと、5個の音を使うものがある。
- スケールは、一緒に使うと気持ちよく聴こえる音の組み合わせなので、知っておくと気持ちよいメロディーが作りやすい。
- 世の中のポップスのほとんどは、メジャースケールかマイナースケール。
スケールとかトニックとか、用語がたくさん登場するので、難しく考えてしまいがちですが、要するに「気持ちよく聴こえる音の組み合わせ」を人に説明するために必要な、用語に過ぎません。
大切なのは、作曲において、「こんなノリにしたいから、今回はここらへんの音を使おうー!」みたいな感覚がつかめてくることです。
この記事の内容が理解できたら、続けて、以下の記事を読んでみてください。より具体的にスケールが理解できます。