「ギターとミキサーをどのように接続すれば良いか分からない」、「接続したけど音が小さい、なんか音がこもる」というのは、DTM初心者にとって良くあるトラブルのひとつです。
ギターとミキサーの接続は、簡単そうに見えますが、電気的なことを考慮すると、結構ややこしいのが実態です。
そこで、ギターとミキサーの接続はどうするのがベストなのか、その解決方法や、やりたいことを実現するための接続構成例について解説します。
- ギターとミキサーの接続方法は?
- よくある使い方と接続構成例は?
- どんな機材が必要?
Contents
ギターとミキサーの接続
ギターをミキサーに接続する方法について、解説します。ひとくちにギターといっても、色々な種類がありますよね。
例えば、以下のようなものです。
- エレキギター(エレクトリックギター)
- エレアコ(エレクトリックアコースティックギター)
- アコギ(アコースティックギター)
これらのギターの種類によって、ミキサーとの接続方法も異なります。そのため、タイプ別に解説していきます。
エレキギター、エレアコとミキサーの接続
エレキギターやエレアコをミキサーに接続する場合に、注意しておきたいことがあります。
一般的に、機材を接続するときは、お互いのインピーダンス(抵抗値)を同じにするか、受け側のインピーダンスを大きくしておく必要があります。
インピーダンスを入れ物に見立てると、ローインピーダンスから、ハイインピーダンスに接続することで、信号の漏れを防ぐ必要があります。
エレキギターやエレアコは、インピーダンスの大きな楽器です。そのため、ミキサーに直接接続すると、電気的に正しく信号を送受信できず、ノイズが発生したり、高域が減衰するといったトラブルが生じます。
そのため、エレキギターやエレアコは、以下のような方法でミキサーに接続します。
- ギターアンプにマイキング。
- Hi-Z対応のミキサーを選ぶ。
- オーディオインターフェイスを使う。
- DI(ダイレクトボックス)を使う。
① ギターアンプにマイキング。
一つ目は、ギターアンプから出る音を、マイクで拾ってミキサーに接続する構成です。
一般的にエレキギターを使う場合は、アンプを通して音を出しますが、エレキギターを直接ミキサーに接続すると、アンプを通さないクリーンな音になってしまいます。
ギターアンプの出力音をそのままマイクで録音することで、ギターアンプを通したそのままのサウンドを録音することができます。
なお、レコーディングにおすすめのマイクについては、以下の記事で詳しくまとめています。
② Hi-Z対応のミキサーを選ぶ。
インピーダンスの大きな楽器をミキサーに接続するためには、受け側であるミキサーのインピーダンスを大きくする必要がありますが、これに対応するのが、「Hi-Z(ハイインピーダンス)」入力機能です。
Hi-Z入力に対応した端子をもつミキサーであれば、ギターを電気的に正しく接続することができます。
なお、Hi-Z対応のおすすめのミキサーについては、以下の記事で詳しくまとめています。
③ オーディオインターフェイスを使う。
Hi-Z入力に対応したミキサーは、そこまで種類が多くありませんが、オーディオインターフェイスは、そのほとんどがHi-Zに対応しています。
そのため、ミキサーがHi-Z入力に対応していない場合は、エレキギターをオーディオインターフェイスに接続してからミキサーに接続するという方法もあります。
なお、おすすめのオーディインターフェイスについては、以下の記事で詳しくまとめています。
④ DI(ダイレクトボックス)を使う。
「DI(ダイレクトボックス)」とは、エレキギター、エレアコなどの楽器を、Hi-Z対応していないミキサーにも直接接続できるようにする為の機材です。
接続した機材のインピーダンスをDIで変換することで、ミキサーに接続できるようになります。
DIには、以下の2タイプがあります。
- アクティブ型のDI
- パッシブ型のDI
・アクティブ型のDI
アクティブ型のDIは、電源が必要となりますが、エレキギターやエレアコのインピーダンスを変換して、安全にミキサーに接続することができます。
基本的には、アクティブ型を選びましょう。
- 対象機材:エレキギター、エレキベース
・パッシブ型のDI
パッシブ型のDIは、電源が要らないので、気軽に使うことができますが、インピーダンスが非常に高いエレキギターでは使えない場合があるのでおすすめできません。
そもそもパッシブ型のDIは、電子楽器のケーブルを延長するために、ノイズを低減する目的で使われます。
- 対象機材:シンセサイザー、キーボード
アコギとミキサーの接続
アコギ(アコースティックギター)には、ピックアップがありませんので、エレキギターのように、シールドを接続することができません。
そのため、以下のような方法で、アコギをミキサーに接続します。
- 直接マイキング。
- ピックアップマイクを使う。
① 直接マイキング。
アコギの演奏音を、直接マイクで拾ってミキサーに接続する構成です。
マイクのセッティング(マイキング)や録音する場所の環境によって、録音される音のクオリティが大きく変わるので、注意が必要です。
なお、レコーディングにおすすめのマイクについては、以下の記事で紹介しています。
② ピックアップマイクを使う。
「ピックアップマイク」と呼ばれる機材をアコギに装着することで、ミキサーに接続することができます。
「ピックアップマイク」とは、ギターの弦の振動を電気信号に変換する装置のことで、これをアコギのブリッジ部分に装着することで、ケーブル経由でアコギの音をミキサーに送ることができます。
流行りのiRigシリーズの「Acoustic Stage」はマイクプリアンプも付属しており、良い音でアコギを録音できるだけでなく、サウンドプリセットを使ってライブでも便利に使えるため、とてもおすすめです。
まとめ
単純そうに見えて意外に難しい、ギターとミキサーの接続方法について解説しました。
この記事で解説した内容のポイントをまとめると、以下の通りです。
- ギターの種類によって接続方法は変わる。
- インピーダンスは、ローだしハイ受けが基本。
- 最も基本かつ無敵の方法はマイク録り。
- ダイレクトボックスはアクティブ型を使う。
色々な方法があるので、ややこしいですが、自分にとって、一番やりやすい方法で接続すれば問題ありません。
無事にギターとミキサーを接続できたら、以下の特集記事を参考にして、次のステップに進んでみてください。