「iLokってそもそも何?どうやって使うの?」という人から、「USBとか必要なやつだっけ?面倒くさそう~。」という人へ。
iLokって「お金もかかるし面倒くさい」みたいなイメージがあるかもしれませんが、iLok License Managerの登場により、無料で簡単にライセンス認証することができるようになりました。
そこで、iLokの基本知識から使い方まで、全く知らない人でも理解できるように解説します。
この記事は、DTM歴7年で楽曲のリリース経験もある現役トラックメイカーDTM部長(@dtmbu)が書いています。
- iLokってそもそも何?なぜ必要なの?
- USBは必要なのか?iLok Cloudとは?
- 具体的なiLokの使い方は?
Contents
iLokとは?
「iLok(アイ・ロック)」とは、プラグインやDAWなどのアプリを、ライセンスをもっているユーザーだけが利用できるように、カギをかける仕組みのことです。
Pro Toolsなど、アプリによってiLokで認証をしなければ使うことができないものがありますので、それらのアプリを使う場合には、iLokが必須となります。
もともと、iLokでライセンス認証を行うためには、専用のオーソライズキー(USBキー)を購入する必要がありましたが、「iLok License Manager」というアプリの登場によって、無料で簡単に認証できるようになりました。
なお、iLok License Managerによる認証方法は、USBやパソコン本体をキーとして認証する方法に加えて、クラウドを利用した認証方法もあります。
ただし、アプリによって使える認証方式が変わりますので、事前に確認しておく必要があります。
iLokの認証の種類は?
iLokの3つの認証方式(認証デバイス)について、もう少し詳しく解説します。
- オーソライズキー(ドングル)
- iLok Cloud
- パソコン本体
① オーソライズキー(ドングル)
プラグインやDAWを使うパソコンのUSBポートに、専用のオーソライズキーを接続することで、iLok認証を行う方法です。
専用のオーソライズキーは、「ドングル」と呼ばれ、アプリの使用中は、常に挿し込んでおく必要がありますので、ノートパソコンを使う場合などは少し邪魔に感じるかもしれません。
元々は、この方法しかなかったので、「iLokといえばUSB」というイメージがある人も多いと思います。
② iLok Cloud
iLok Cloudとは、インターネット経由で認証を行うiLokの新しい認証方式です。
インターネットが世の中に普及した現在では、こちらの方が主流といえます。
数千円以上するUSBドングルを買う必要がなく、無料で使えることがメリットです。
ただし、常にインターネットに接続しておく必要があり、接続が切れると使えなくなるため、注意が必要です。
③ パソコン本体
パソコン本体にライセンスキーを登録する方法です。
USBもインターネット接続も不要でアプリを使うことができますが、そのデバイスでしか使えなくなります。
iLokを利用する上での注意点は?
実際にiLokを使ってみて感じた、注意するべきポイントについても説明しておきます。
- アプリによって対応デバイスが異なる
- iLok Cloudは常時ネット接続が必要
- iLokのドングルにはバージョンがある
① アプリによって対応デバイスが異なる
先ほど説明した通り、iLokで使える認証方式は3種類ありますが、どんなアプリでも使えるかというとそうではありません。
アプリによっては、たとえば、「クラウド認証には対応していない」というものも多いです。
それでも、今後はクラウド認証に対応したアプリが増えてくることは間違いないでしょう。
② iLok Cloudは常時ネット接続が必要
iLok Cloudによる認証は、USBも要らずお手軽な方法ですが、常にインターネットに接続している必要があります。
アプリ使用中にネットの接続が切れると認証も切れてしまうので、注意が必要です。
③ iLokのドングルにはバージョンがある
iLokのドングルは、バージョンが進化しており、最新はiLok3となっています(2020年5月時点)。
もし、USBキーを使う予定の方は、最新バージョンを購入しておくことをお勧めいたします。
iLokの始め方は?
さっそく、iLokの使い方を、手順に沿って説明していきます。
- iLokのアカウント登録
- iLok License Managerの導入
① iLokのアカウント登録
初めに、iLokのユーザーアカウントを作成する必要があります。
そのために、まずiLokのWebサイトにアクセスして、[Create Free Account]をクリックします。
アカウント作成画面で、ユーザーID(任意)・氏名・社名(個人なら空欄でOK)・メールアドレス・パスワードを入力します。
さらに画面の下部で、誕生日・秘密の質問・メールの受け取り可否・規約への同意を入力して、[Create Account]をクリックします。
入力内容に誤りがなければ、以下の画面が表示されて、アカウント作成が完了します。
つぎに、登録したメールアドレスに確認メールが届きますので、メール本文にあるURLをクリックします。
するとiLokのログイン画面が開きますので、先ほど作成したアカウントでログインします。
すると、アカウントの認証が完了しますので、[Continue]をクリックします。
iLokのトップページに戻りますので、[Sign in]をクリックして、アカウントにログインします。
これで、My Account画面にログインできれば、ユーザー登録が完了です。
② iLok License Managerの導入
ログインしたMy Accountの画面で、[iLOK License Manager]のロゴをクリックします。
リンク先の画面の左側にある、お使いのパソコンのOSに合ったインストーラーをダウンロードします。
お使いのパソコンのbitバージョンが分からない人は、「パソコンのbitバージョンを確認」を参考にしてください。
ダウンロードした.zipファイルを解凍して、「License Support Win64.exe」を起動します。
※Win64の部分には、お使いのOSが表示されています。
次へをクリックしてインストールを進めていって問題ありませんが、インストール完了後に、すぐに再起動するか聞かれますので、そこだけ気を付けてください。
再起動が完了したら、iLok License Managerの導入は完了です。
これで、お使いのパソコンでiLokを使う準備が整いました。
iLokの使い方は?
それでは、具体的にiLokを使ってアクティベーションを行い、DAWやプラグインなどを使用する方法について紹介していきます。
- iLok License Managerにサインイン
- シリアルコードでアプリのライセンスキーを登録
- ライセンスキーをデバイスに登録
- iLok Cloudで認証
① iLok License Managerにサインイン
ダウンロードした「iLok License Manager」のアプリを起動して、[Sign In]をクリックします。
先ほど作成したアカウントでiLokにログインします。
これで、iLok License Managerへのログインが完了しました。
② シリアルコードでアプリのライセンスキーを登録
アプリによっては、iLokでアクティベーションするためのシリアルコードが配布される場合があります。
これを使うには、License Managerの画面右上の[コード入力マーク]をクリックします。
立ち上がったダイアログで、シリアルコードをコピー&ペーストするなどして入力します。
すると、All Licensesにアプリが登録されます。
③ ライセンスキーをデバイスに登録
iLok License Managerに登録されたアプリのライセンスキーを、認証に使うデバイス(クラウド・パソコン・USB)に登録します。
認証に使いたいデバイスにドラッグ&ドロップします。
すると、確認画面が表示されるので、[OK]をクリックします。
すると、デバイスの認証アプリ一覧に追加されます。
これで、そのデバイスを使ってアプリを使うことができるようになりました。
④ iLok Cloudで認証
iLok Cloudを使う場合も手順としては同じです。
まず、使用するDAWやプラグインをインストールして起動します。ここでは、ProToolsの例で説明します。
まず、ProToolsを起動すると、以下のような画面が表示されますので、[Activate]をクリックします。
すると、iLokのアカウントのログイン画面が表示されるので、先ほど作成したアカウントでログインします。
ログインすると、クラウドセッションを開始するか確認されるので、[OK]をクリックすると認証が始まり、ProToolsが立ち上がります。
※このとき、インターネットに接続している必要があります。
それから、License Managerを立ち上げて[Open Your Cloud Session]をクリックします。
すると、Cloud認証のメニューが表示され、クリックするとクラウド認証したDAWやプラグインなどの一覧が表示されます。
ここに、先ほど登録したProToolsが表示されます。
クラウド認証は、常にインターネットに接続していないと使うことができませんので、ご注意ください。
まとめ
iLokの概要の説明から、具体的な始め方・使い方まで、なるべく分かりやすく解説してみました。
この記事で解説した内容のポイントをまとめると、以下の通りです。
- iLokとは、アプリにカギをかける仕組みのこと。
- アプリによってiLokが必要なものとそうでないものがある。
- ライセンスキーとして使えるのは、USB・クラウド・パソコン本体の3つ。
- iLok Cloudは常時インターネット接続が必要。
iLokは、元々ドングル(専用のUSBメモリ)が必須でしたが、iLok License Managerの登場によって、USBがなくてもパソコン本体やクラウドで認証できるようになりました。
使い方も一度覚えてしまえば、決して難しいものではありませんので、この記事を参考にしてアクティベーションを試してみてください。
この記事が参考になれば幸いです。