これからMIDIキーボードを使い始める人へ。
最近では、低価格で使いやすいMIDIキーボードが簡単に手に入るようになってきました(2020年現在)。
しかし、MIDIキーボードを買ってきたけど、使い方が分からない!どうやってDAWで認識させるの?という人も多いでしょう。
そこで、DTM歴7年の現役トラックメイカーが、初心者向けにMIDIキーボードの使い方を分かりやすくまとめてみました。
- MIDIキーボードの繋ぎ方は?
- DAWで使うためにはどうすればよい?
- 音が出ない!音が遅延する!の対処方法は?
Contents
MIDIキーボードの使い方
MIDIキーボードは、以下の手順で使えるようになります。
- MIDIキーボードの接続
- ドライバーのインストール
- DAWの設定
なお、この記事はMIDIキーボードの基本的な機能を理解している人向けに解説していますので、「MIDIってそもそも何?」という人は、以下の記事から読んで頂くことをおすすめします。
MIDIキーボードの接続
MIDIキーボードの接続構成例としては、以下のようなパターンがあります。
- パソコンと直接接続する場合
- オーディオインターフェイスを経由する場合
- シンセサイザーや音源モジュールと接続する
① パソコンと直接接続する場合
MIDIキーボードとパソコンとの接続には、以下のいずれかのインターフェイスを使います。
- USB
- Bluetooth
USB
USBケーブルを使って、パソコンと直接接続します。
USB接続は、2020年現在、最も主流な方法で、ほとんどのMIDIキーボードはUSB端子を持っています。
USBコネクタには色々な形状がありますが、基本的にはMIDIキーボードに付属されているものを使用すれば問題ありません。
Bluetooth
Bluetoothとは、機器同士を無線でつなぎ、音声やデータをやり取りすることのできるワイヤレス通信(近距離無線)の規格です。
Bluetoothに対応したMIDIキーボードは、無線でパソコンとMIDIデータのやり取りができます。
無線なのでケーブルが不要になり、机上がとてもスッキリします。
ただし、USBに比べて通信速度が劣るため、そのぶんレイテンシーが遅くなります。
インターフェイス | 通信速度の目安 |
---|---|
USB | 12Mbps~5Gbps |
Bluetooth | ~3Mbps |
<参考にしたサイト>
インターフェイス株式会社:一般的な通信規格とUSBの比較
② オーディオインターフェイスを経由する場合
オーディオインターフェイスにMIDI端子が搭載されている場合は、MIDIキーボードをオーディオインターフェイス経由で接続することもできます。
なぜ、わざわざオーディオインターフェイスを経由するのかと言うと、以下のような理由があるからです。
- パソコンのUSBポートを節約したい
- iPadと接続したい
パソコンのUSBポートを節約したい
ノートパソコンなどの場合、USBポート数が2個程度しかないので、MIDIキーボード以外の機器も接続したい場合、ポート数が足りなくなってしまいます。
そのときに、オーディオインターフェイス経由で接続すれば、USBポート1個分を節約できる訳です。
もちろん、「USBハブ」を使っても良いですが、その場合は電源付きのUSBハブを使うことをおすすめします。
なぜなら、MIDIキーボードは、バスパワー(パソコンから電源を供給して動作する)タイプのものが多いため、USBハブを使って、他のデバイスを一緒に接続すると、電力が足りなくて動作しない場合があるからです。
iPad/iPhoneと接続したい
MIDIキーボードをiPadやiPhoneで使いたい場合、Lightningで接続する必要があります。
通常は、「Lightning-USB3カメラアダプタ」という変換アダプタを別途購入して接続します。
しかし、iPad/iPhoneに対応したオーディオインターフェイス経由で接続すれば、変換アダプタが不要になります。
③ 音源モジュールやシンセサイザーと接続する
鍵盤が無い音源モジュールや、鍵盤が壊れてしまっている楽器などと接続して、演奏することができます。
- 音源モジュール
- 鍵盤が使えなくなったシンセサイザー
音源モジュール
「音源モジュール」とは、鍵盤などの演奏するインターフェイスを切り離して、音を生成する部分だけを残したシンセサイザーのことです。
音色を作っている部分なので、「トーン・ジェネレータ(Tone Generator)」とも呼ばれます。
音源モジュールには鍵盤が無いので、これ単体では演奏することができません。
そこで、MIDIキーボードを接続して演奏するわけです。
鍵盤が使えなくなったシンセサイザー
ビンテージ物の、古いシンセサイザーの場合、鍵盤が下がったままになったり、故障して上手く演奏できなくなっている場合があります。
しかし、MIDI端子付きのMIDIキーボードであれば、MIDI端子からMIDIキーボードを接続することで、ビンテージ物のシンセサイザーを演奏することができます。
ドライバーのインストール
MIDIキーボードのドライバ―に関しては、以下の2タイプがあります。
- 接続すると勝手にドライバ―のインストールが始まるタイプ
- 事前にドライバ―のインストールが必要なタイプ
パッケージにドライバーのCDが付属していたり、取扱説明書に「ドライバ―のインストール」についての説明がある場合は、事前にドライバーをインストールして使います。
逆に、何も記載がない場合はドライバーが不要なタイプです。
① 接続すると勝手にドライバ―のインストールが始まるタイプ
メーカー専用のドライバ―が不要なタイプのMIDIキーボードは、USBケーブルをコンピューターに差し込むだけで、パソコンが勝手にキーボードを認識します。
それと同時に、自動でOS標準のMIDIキーボードドライバ―のインストールが始まります。
鍵盤といくつかの操作ボタンのみのシンプルな構成のMIDIキーボードの場合は、このようにドライバ―のインストール作業が不要です。
② 事前にドライバ―のインストールが必要なタイプ
MIDIキーボードに、多くのノブやスライダー、パッドなどのコントロール部がある場合はドライバーのインストールが必要になる場合が多いです。
この場合は、付属のCDを使うか、公式サイトからドライバーをダウンロードしてインストールしましょう。
そして、このタイプのドライバ―をインストールすると、同時にMIDIキーボード専用のコントロール設定ソフトがインストールされて、MIDIキーボードのノブをDAW上の任意のパラメータにアサイン(割り付け)することができます。
DAWの設定
ドライバーをインストールしたら、DAWソフト側のMIDI設定を行って、DAWとMIDIキーボードをリンクさせます。
DAWの設定については、以下の記事で詳しく解説しています。
MIDIキーボードの音が出ない場合は?
- ドライバーの問題
- 接続を確認する
- DAWの設定を確認する
① ドライバーの問題
MIDIキーボードで、音が出ない!という状況になったら、まず最初に疑うのが、「ドライバーちゃんと入ってる?」ということです。
ちゃんとインストールしたはずなのに、システム不具合によって動作しないなんてことは良くある話で、その場合は一度、ドライバーをアンインストールしてから、再度インストールし直してみましょう。
また、他にも以下のような原因が考えられます。
原因 | 対策 |
---|---|
①ドライバーの不具合 | ・再インストールする。 (一度、アンインストールしてインストールし直す) |
②ドライバーが古い | ・公式サイトから最新のドライバ―をダウンロード。 ・付属CDをそのまま使うと古い場合がある。 |
③ドライバ―がOSに対応していない | ・公式サイトから正しいドライバ―をダウンロードする。 |
② 接続を確認する
基本的なミスですが、意外に良くあるのが、ケーブルが正しく接続できていなかった!ということです。
コネクタが刺さっているように見えているだけで、しっかり接続できていないだけかもしれませんので、ここはちゃんと確認するようにしましょう。
また、「USBハブ」を使って、他のデバイスと一緒に、パソコンの1つのポートに接続している場合は、電力が足りずに、MIDIキーボードが動作しないことがあります。
③ DAWの設定を確認する
DAW側で外部MIDIデバイスを正しく認識できていない場合があります。
まずはMIDIキーボードを弾いたときに、DAW側でMIDI信号をちゃんと受信しているかを確認しましょう。
MIDIキーボードを弾いている間に、DAW画面のMIDI信号ランプが「点滅」すれば、リンクできていることになります。
点滅していない場合は、DAWがMIDIキーボードを認識できていませんので、DAWの設定を再度、確認してみましょう。
MIDIキーボードの音が遅延する場合は?
DAWの設定で、バッファサイズを調整しても、MIDIキーボードのレイテンシー(出音の遅れ)が気になる場合があります。
これについては、以下のような原因が考えられます。
- バッファサイズが大きすぎる
- サンプルレートが小さい
- オーディオドライバ―の問題
- サウンドカードの問題
- パソコンのスペックが足りない
これらの原因に対する対策方法については、以下の記事に詳しくまとめていますので、チェックしてみてください。
リンク準備中
まとめ
MIDIキーボードは、以下の手順で使えるようになります。
- MIDIキーボードの接続
- ドライバーのインストール
- DAWの設定
逆に言えば、「MIDIキーボードが使えない!」というときは、上記のいずれかの設定が正しくできていないということです。
この手の知識は、今後新たな機材を買い足したときにも役に立ちますので、頑張って勉強していきましょう。
シンセをMIDIキーボードとして使おうとしているのですが 弾いた音以外の音も記録されています。
改善策等 ご存知でしたら 教えてください。