オーディオインターフェイスを購入して、これからDTM環境を構築しようとしている人へ。
オーディオインターフェイスの使い方については、接続やDAWの設定の難易度が高いため、多くの初心者がつまずきやすいところです。
そこで、DTM歴7年の現役トラックメイカーが、初心者向けにオーディオインターフェイスの繋ぎ方から、パソコン側の設定までを分かりやすく解説します。
- オーディオインターフェイスの繋ぎ方は?
- DAWで使うためにはどうすればよい?
オーディオインターフェイスの使い方
オーディオインターフェイスの使い方の手順は、以下の通りです。
- オーディオインターフェイスの接続
- ドライバーのインストール
- DAWのオーディオ設定
なお、この記事はオーディオインターフェイスの基本的な機能を理解している人向けに解説していますので、「そもそも、オーディオインターフェイスって何のために必要なの?」という人は、まず以下の記事から読むことをおすすめします。
オーディオインターフェイスの接続
オーディオインターフェイスと他の機材との接続の仕方について、解説していきます。
- パソコンやiPad/iPhoneとの接続
- ミキサーとの接続
- マイクとの接続
- ギターとの接続
- シンセサイザーとの接続
- モニタースピーカーとの接続
① パソコンやiPad/iPhoneとの接続
オーディオインターフェイスを、パソコンやiPad/iPhoneと接続する場合、以下のいずれかのインターフェイスを使います。
- USB
- Firewire
- Thunderbolt
- Lightning(iPad/iPhone)
USBで接続する
USBを知らない人はほとんどいないでしょう。
現時点で販売されているオーディオインターフェイスの多くは、USBでパソコンと接続するタイプのものが多いです。
ただし、USBコネクタには色々な形状がありますので、注意が必要です。
基本的には、オーディオインターフェイスに付属されているものを使えば問題ありません。
USBコネクタの種類 | ||
---|---|---|
デバイス | コネクタ | 機材の例 |
パソコン | Type-A | Windows、Mac |
Type-C | Macbookなど | |
オーディオ インターフェイス | Type-B | Roland rubixシリーズなど |
Type-C | Focusrite Clarettシリーズなど | |
Mini USB Type-B | Apogee Duetなど |
Firewireで接続する
Firewireは、比較的高価なモデルのオーディオインターフェイスに搭載されています。
パソコン側は、かつてのiMacに搭載されていましたが、2012年モデル以降、FireWireポートが廃止されてThunderboltポートに変更されています。
これに従い、Firewireで接続するタイプのオーディオインターフェイスは少なくなってきています。
Firewireコネクタには、6pinと9pinタイプがあるので注意しましょう。
Firewireコネクタの種類 | |
---|---|
ピンの数 | デバイス |
9pin | パソコン |
6pin | オーディオインターフェイス |
FirewireケーブルはUSBに比べて高価ですので、間違えないように購入前によく確認してください。
Thunderboltで接続する
iMacからFirewireがなくなり、Thunderboltは、iMacにとっての新しいスタンダードとなりました。
Universal Audio社の「Arrow」など、オーディオインターフェイスによっては、Thunderboltでしか接続できないタイプのものもあります。
Lightningで接続する
iPad/iPhoneとオーディオインターフェイスを接続する場合は、Lightningコネクタで接続することになります。
Apogee社の「Duet」など、iPad/iPhoneに対応したオーディオインターフェイスには、専用コネクタからLightningに変換するケーブルが付属(または別売り)で用意されています。
結局、どれを使えば良い?
RME社の「Fireface UCX」など、オーディオインターフェイスによっては、USBとFirewireの両方の端子が搭載されているタイプが存在します。
その場合、どちらの端子でパソコンに接続するか迷うかもしれませんが、基本的にはUSBで接続しておけば問題ありません。
なぜなら、接続方法が異なるだけで、性能面では両者にそこまで大きな差はないからです。
また、FirewireケーブルはUSBに比べて高価なので、コスパが良くありません。
パソコンならUSBケーブルを、iPad/iPhoneなら専用ケーブルを使えば良いです。
オーディオインターフェイスとパソコンで出来ることは?
また、オーディオインターフェイスをパソコンと接続してできることは、主に以下の3つです。
- パソコンの音をオーディオインターフェイス経由で出力
⇒ パソコン内部の音をオーディオインターフェイス経由でモニタースピーカーに接続して、制作中の楽曲の音をモニター出来ます。 - オーディオインターフェイスで入力した音をパソコンに出力
⇒ オーディオインターフェイスで入力するギターなどの楽器やマイクなどの音をパソコンに出力してDAWで録音することが出来ます。 - パソコンの音をループバックしてDAWで録音する
⇒ オーディオインターフェイスのループバック機能を使って、パソコン内部の音をリアルタイムで録音することが出来ます。
そうすると、以下のようなこともできます。
- Youtubeなど、パソコンで鳴らした全ての音をまとめて録音
- DAWのマスター音をオーディオトラックに返して録音
② ミキサーとの接続
ミキサーを使う場合は、各機材の接続が少しだけ複雑でややこしくなります。
そのため、オーディオインターフェイスとミキサーの接続については、別の記事にまとめました。
③ マイクとの接続
オーディオインターフェイスに、マイクを接続する場合、マイクの種類によって、接続方法が異なります。
- ダイナミックマイクとの接続
- コンデンサーマイクとの接続
ダイナミックマイクとの接続
ダイナミックマイクの場合は、キャノンケーブルを使ってオーディオインターフェイスと接続します。
市販されている多くのオーディオインターフェイスは、「コンボジャック」と呼ばれる、キャノン(XLR)と標準プラグがどちらでも挿し込めるタイプのジャックを搭載しています。
そのため、コンボジャックにキャノンケーブルを挿し込みます。
コンデンサーマイクとの接続
コンデンサーマイクを使用する場合は、ファンタム電源と呼ばれる48Vの電圧を供給してやる必要があるので、+48V電源に対応したオーディオインターフェイスを選ぶ必要があります。
④ ギター・ベースとの接続
ギターやベースを接続したい場合は、Hi-Z(ハイインピーダンス)対応のギター入力が1つ以上必要です。
Hi-Zとは、ギターなどのインピーダンス(抵抗値)の高い機器を、電気的に正しく接続するための専用の端子です。
そのため、Hi-Zに対応したオーディオインターフェイスを選ぶ必要があります。
ほとんどのオーディオインターフェイスは、ギター入力もコンボジャックになっています。
⑤ シンセサイザーとの接続
オーディオインターフェイスに、シンセサイザーを接続する場合、シンセサイザーがデジタル・アナログのどちらかによって、接続方法が異なります。
- アナログシンセ
- デジタルシンセ
アナログシンセ
シンセサイザーはモノラル標準ケーブルを使って、オーディオインターフェイスのコンボジャックに接続します。
ほとんどのアナログシンセはモノラル出力になっていますので、コンボジャックが1つあれば大丈夫です。
デジタルシンセ
ほとんどのデジタルシンセは、ステレオ出力になっていますので、コンボジャックが2つ以上必要になります。
なお、モノラル出力のデジタルシンセの場合は、1つで大丈夫です。
⑥ モニタースピーカーとの接続
オーディオインターフェイスとモニタースピーカーの接続は、以下のいずれかのケーブルを使って接続します。
- モノラル標準ーモノラル標準
- モノラル標準ーXLR
- XLR-XLR
スピーカー側、オーディオインターフェイス側のコネクタを確認して、形状の合ったものを選ぶようにしましょう。
ドライバーのインストール
パソコンやiPad/iPhoneでオーディオインターフェイスを使うためには、ドライバーをインストールする必要があります。
ドライバーとは?
ドライバーとは、外部デバイスとパソコンやiPad/iPhoneをつなぐためのソフトウェアのことです。
マウスとかキーボードも外部デバイスなので、ドライバーが必要なのですが、良く使われるので最初からOSに標準ドライバーとして含まれています。
このように、ドライバーには最初からOSに含まれている標準ドライバーと、メーカーの専用ドライバーの2種類があります。
例えば、プリンターの場合、標準ドライバーとプリンタメーカーのドライバーの2種類がありますが、機種によってはプリンタメーカーの専用ドライバーじゃないと両面印刷出来ないなどの、制限があります。
ドライバ―の種類 | 説明 |
---|---|
①OS標準ドライバー | 最低限の機能をもった、OSで安定して動作するドライバー |
②メーカーの専用ドライバ― | ハードウェアのもつ機能を最大限利用できるように最適化されたドライバー |
OS標準ドライバー
標準ドライバーとは、OSに準拠したドライバーで、必要最低限の機能しかありませんが、OSで安定して動作することが保証されているドライバーです。
- Windows標準ドライバー
- Mac/iOS/iPadOS標準ドライバー
- Android標準ドライバー
① Windows標準ドライバー
Windows標準のサウンドドライバーの代表的なタイプは以下の通りです。
- ASIO
- DirectSound (DirectX)
- Windows MME
- USB Audio Device Class 2.0(Windows10以降)
3種類ありますが、最も汎用性が高いのはASIOドライバーです。
具体的には、「ASIO4ALL」というソフトを使ってASIOドライバーを動作させます。
何といっても、ASIOドライバーは、DAWソフトのCubaseや、オーディオインターフェイスで有名なSteinberg(YAMAHA)が開発したドライバーなので安心できます。
そのため、基本的にはASIOドライバーを使えば問題ありません。
② Mac/iOS/iPadOS標準ドライバー
Mac・iOS・iPadOS標準のサウンドドライバーは、以下の通りです。
- Core Audio
- USB Audio Device Class 2.0(OS X 10.6以降)
③Android標準ドライバー
AndroidOS標準のサウンドドライバーは、以下の通りです。
- USB Audio Device Class 2.0(Android 5.0以降)
メーカーの専用ドライバー
また、オーディオインターフェイスには、メーカーが用意している専用のドライバーがあります。
専用のドライバーを使うと、オーディオインターフェイスに付属しているソフトウェアミキサーが使えるなど、メリットがあります。
パッケージに付属しているCDか、メーカーの公式サイトからダウンロードして、パソコンにインストールしましょう。
インストールしてパソコンを再起動すると、DAWの設定画面でオーディオインターフェイスが選択できるようになります。
どれをインストールすれば良い?
オーディオインターフェイスの専用ドライバーをメーカーが用意している場合は、迷わずメーカーの専用ドライバーをインストールしましょう。
安価なモデルのオーディオインターフェイスの場合、専用ドライバーは存在せず、OS標準ドライバーを使うことを前提にしているものも多いです。
その場合は、OS標準ドライバーを使えば問題ありません。
DAWのオーディオ設定
ドライバーをインストールしたら、DAWソフト側のオーディオ設定を行って、DAWとオーディオインターフェイスをリンクさせます。
DAWの設定については、以下の記事で詳しく解説していますので、チェックしてみてください。
まとめ
オーディオインターフェイスの使い方について、ポイントをまとめると以下の通りです。
- ケーブル接続について、正しい繋ぎ方を知ろう。
- ドライバ―は色々な種類があるので、自分の環境に合ったものをインストールしよう。
オーディオインターフェイスの使い方を理解しておくと、現場でのライブや、スタジオでのバンド練習などでも役に立ちます。
最初は理解するまで大変かもしれませんが、頑張って勉強していきましょう。
アナログレコードプレーヤーの出力はどのように接続すればよいのですか?