これからDTMを始める初心者の人は、パソコンにもさほど詳しくないという人が多いと思います。
しかし、パソコン(Windows/Mac)でDTMを始める前にやっておきたいのが、パソコンの環境設定です。
これらを最適化しておくことで、DTMをやっているときにノイズが発生したり、動作が遅くなるなどの不具合が発生しづらくなります。
それでは、具体的な設定内容について解説していきます。
- パソコンの設定をDTM用に最適化する方法は?
- パソコンに負担をかけない使い方のコツは?
Contents
Windowsの設定をDTM用に最適化
WindowsPCを使用されている場合に、最適化できる設定は以下の通りです。
- Windows Updateの実施
- 不要なプログラムの削除
- スタートメニューからピン留めを外す
- スタートアッププログラムの停止
- 電源プランの設定
- システムのサウンドを無効化
- 透明効果を無効化
① Windows Updateの実施
ほとんどの場合、DTMに使うパソコンはインターネットにも接続すると思いますので、Windows Updateを実施し、最新の状態に更新しておきましょう。
また、マカフィーなどのアンチウィルスソフトも、常に最新状態にしておくように設定しておきましょう。
なお、最もCPU使用率を下げる方法としては、インターネットに接続しない完全オフラインのDTM専用パソコンとして使用することです。
そうすれば、Windows Updateの更新もアンチウィルスソフトも不要になるため、快適に使用できます。
しかし、実際には、なかなかそこまでこだわれる人は少ないと思いますので、Windows Updateを行ってパソコンを常に最新状態にしておきましょう。
② 不要なプログラムの削除
買ったばかりのパソコンでも、ほとんどの端末には、事前に色々とアプリケーションがインストールされています。
しかし、実際は、パソコンメーカーの宣伝を兼ねたソフトや、ほとんど使わないようなWindowsの標準アプリソフトなど、不要なものが多いです。
例えば、以下のようなソフトです。
- パソコンメーカーがインストールしているサポートツール
- Windows10標準ソフトで使わないもの
そこで、Windows10の標準アプリのなかで、多くの人がほとんど使わないと思われるアプリのリストを作りましたので、参考にしてみてください。
アプリ | 機能の内容 |
---|---|
3D ビューアー | 3Dのモデリングデータを見る。 |
Print 3D | 3Dのモデリングデータの印刷ができる。 |
ペイント3D | 3Dのお絵描きソフト |
Skype | IP電話 |
People | 連絡帳 |
Xbox関連 | ゲーム |
アラーム&クロック | 目覚まし時計 |
映画&テレビ | 動画を閲覧するプレイヤー |
Groove ミュージック | iTunesのような音楽アプリ |
天気 | スタートメニューにピン留めすると天気が表示される |
マップ | 地図 |
メッセージング | ショートメッセージ |
DAWソフトで最良のパフォーマンスを実現するためにも、なるべく不要なプログラムは削除しておきたいところです。
なお、この中には、簡単には削除できないアプリもありますので、以下の2通りの方法で、不要なプログラムのアンインストールを行います。
- プログラムから削除
- Windows PowerShellで削除
① プログラムから削除
手順1)左下のWindowsのロゴ(スタートボタン)を右クリック
手順2)アプリと機能をクリック
手順3)不要なアプリケーションを選択して、アンインストール
② コマンドプロンプトで削除
手順1)左下のWindowsのロゴ(スタートボタン)を右クリック
手順2)Windows PowerShell(管理者)をクリック
手順3)「このアプリがデバイスに変更を与えることを許可しますか?」で「はい」を選択。
手順4)コマンドをコピー&ペーストしてEnterをクリックする
コピーするコマンドについては、以下の通りです。
アプリ | コマンド |
---|---|
3D ビューアー | Get-AppxPackage Microsoft.Microsoft3DViewer | Remove-AppxPackage |
Print 3D | Get-AppxPackage Microsoft.Print3D | Remove-AppxPackage |
ペイント3D | Get-AppxPackage Microsoft.MSPaint | Remove-AppxPackage |
Skype | Get-AppxPackage Microsoft.SkypeApp | Remove-AppxPackage |
People | Get-AppxPackage Microsoft.People | Remove-AppxPackage |
Xbox gamebar | Get-AppxPackage Microsoft.XboxGamingOverlay | Remove-AppxPackage |
xbox live | Get-AppxPackage Microsoft.Xbox.TCUI | Remove-AppxPackage |
xbox 本体コンパニオン | Get-AppxPackage Microsoft.XboxApp | Remove-AppxPackage |
アラーム&クロック | Get-AppxPackage Microsoft.WindowsAlarms | Remove-AppxPackage |
映画&テレビ | Get-AppxPackage Microsoft.ZuneVideo | Remove-AppxPackage |
Groove ミュージック | Get-AppxPackage Microsoft.ZuneMusic | Remove-AppxPackage |
天気 | Get-AppxPackage Microsoft.BingWeather | Remove-AppxPackage |
マップ | Get-AppxPackage Microsoft.WindowsMaps | Remove-AppxPackage |
メッセージング | Get-AppxPackage Microsoft.Messaging | Remove-AppxPackage |
間違えて必要なアプリを削除してしまわないようにご注意ください。(自己責任でお願いします。)
③ スタートアップ・プログラムの停止
Windowsの起動時に自動で動作するプログラム(スタートアップ・プログラム)を無効にすると、不要なプログラムによるCPUへの負担を軽減できます。
以下の手順で、スタートアップ・プログラムを無効にできます。
手順1)タスクバーを右クリック
手順2)タスクマネージャー(K)をクリック
手順3)[スタートアップ]タブをクリックします。
手順4)使用していない不要なプログラムを右クリックして無効化します 。
④ 電源プランの設定
電源プランをハイパフォーマンスモードにすることで、電源使用量を上げる代わりにパソコンの動作を速くすることができます。
設定手順は以下の通りです。
手順1)コントロールパネルを開く。
手順2)電源オプションをクリック。
手順2) 電源プランを「高パフォーマンス」に設定します。
⑤ システムのサウンドを無効化
システムのサウンドを無効にすることにより、DTMに必要でない音が鳴らないように設定できます。
効果はわずかではありますが、これもCPU使用率を下げることができます。
設定手順は以下の通りです。
手順1)コントロールパネルから[ハードウェアとサウンド]→[サウンド]の順に移動します。
手順2)[サウンド]タブでサウンド設定を[サウンドなし]に設定します。
⑥ 透明効果を無効化
透明効果を無効にすると、スタートメニューの背景が透過するグラフィック効果が無くなりますが、CPUの負担を削減することができます。
設定手順は以下の通りです。
手順1)左下のWindowsのロゴ(スタートボタン)、設定の順にクリック
手順2)個人用設定をクリック
手順3)[色]をクリック
手順4)透明効果をオフに変更
Macの設定をDTM用に最適化
Macを使用されている場合に、最適化できる設定は以下の通りです。
- Dockの設定
- 不要なアプリの削除
- ログイン項目の設定
- 視覚効果の無効化
- 通知の設定
① Dockの設定
Dockのアニメーション効果を無効化することで、Macの動作を軽くすることができます。
設定手順は、以下の通りです。
手順1)システム環境設定を開く
手順2)[Dock]をクリック
手順3) [起動中のアプリケーションをアニメーションで表示]のチェックを外す
② 不要なアプリの削除
使わないアプリを削除する際は、専用のソフトウェアを使って削除するようにしましょう。
実は、Macの場合、普通に削除しただけでは、ダウンロードした時に生じる関連ファイルがゴミとして残ったままになってしまいます。
「AppCleaner」などのツールを使えば、ドラッグ&ドロップで簡単かつキレイにアプリを削除できます。
③ ログイン項目の設定
ログイン項目に追加されているアプリが多いほど、起動に時間がかかってしまいます。
よく使うアプリであれば良いのですが、使わないものは削除しましょう。
設定手順は、以下の通りです。
手順1)システム環境設定を開く
手順2)[ユーザーとグループ]をクリック
手順3)自動ログインする不要なアプリを削除
④ 視覚効果の無効化
透過効果という視覚効果をOFFにすることによって、Macの動作を軽くすることができます。
設定手順は、以下の通りです。
手順1)システム環境設定を開く
手順2)[アクセシビリティ]をクリック
手順3)ディスプレイを選んで、[透明度を下げる]のチェックを外す
⑤ 通知の設定
通知センターに設定されているアプリが増えてくると、Macの負担を重くします。
そのため、必要なアプリだけを設定するようにしましょう。
設定手順は、以下の通りです。
手順1)システム環境設定を開く
手順2)[通知]をクリック
手順3)アプリを選択して、通知をオフに設定する。
普段のパソコンの使い方で気を付けたいこと
設定を最適化したので「これで完璧!」と言いたいところですが、普段のDTM作業のやり方によっても、快適に使用できる期間が変わってきます。
注意しておきたいポイントは以下の通りです。
- デスクトップにデータを保存しない
- マルチタスクを避ける
① デスクトップにデータを保存しない
デスクトップにデータをたくさん保存してしまうと、パソコンの起動自体が遅くなってしまいます。
基本的に保存するデータは、デスクトップ以外のディレクトリ(フォルダ)に保存するように、クセを付けましょう。
② マルチタスクを避ける
色々なアプリを同時に立ち上げた状態で、DAWを立ち上げて楽曲制作すると、メモリを消費するため、楽曲の再生音が遅延するなど、動作に影響を与えてしまいます。
ブラウザを開いて色々とネットサーフィンしながら音楽制作することもあると思いますが、特にバウンス(書き出し)や録音中など、タブの開き過ぎには注意しましょう。
まとめ
パソコンを設定を最適化する方法について、紹介しました。
この記事の内容をまとめると、以下の通りです。
- Windowsの設定を最適化しよう。
- Macの設定を最適化しよう。
- 普段の使い方も最適化しよう。
これらは、別にDTMをする人だけの問題ではなくて、パソコンを快適に使いたい全ての人に共通の設定方法です。
ですが、パソコンの上手な使い方を覚えておくと、DTMにも大きなメリットがあるということです。