「サンプル音源をたくさん入手したいけど、どんなサービスが自分に合っているのか分からない!」という人へ。
サブスクはサービスによって音源の数・機能・料金・無料でできることなどが変わってきます。
そこで、DTM歴7年で国内外から楽曲リリース経験のあるトラックメイカーDTM部長(@dtmbu)が、これまでの経験を踏まえて、あなたにピッタリのサンプル音源のサブスクリプションサービス選びをサポートします。
- サンプル音源のサブスクってどんなサービス?
- 自分に合ったサービスの選び方は?
- おすすめのサービスはおすすめ?
Contents
サンプル音源のサブスクリプションサービスとは?
「サンプル音源のサブスクリプションサービス」とは、月額料金を支払うことによって膨大な音源サンプルから、好きなものをダウンロードして使えるサブスクリプションサービスです。
また、サンプル音源だけでなく、MIDIファイルやソフトシンセのプリセットなどもダウンロードすることができます。
基本的な使い方として、Webサイトや専用アプリを使って音源を検索・ダウンロードし、DAWに貼り付けたり、DAW上でプラグインとして起動して音を鳴らすことができます。
同じサブスクリプションサービスでも、プランによってダウンロードできるサンプルの数などの内容が変わります。
なかには、無料で使えるFreeプランから、1年間無制限でダウンロードし放題の年額プランまで、様々なプランが存在します。
ほとんどのサービスで、無料トライアル期間が設けられており、本格的に利用する前に無料でお試しすることができます。
なお、この記事では、以下のおすすめサブスクについて、比較を行っていきます。
- Splice Sounds
- Loopcloud
- Noiiz
- Sounds.com
サンプル音源のサブスクリプションサービスの選び方は?
という人のために、選定ガイドを作りました。
こちらを順番に読んでいくだけで、自分にあったサブスクリプションサービスの候補が絞り込めるようになっています。
- サンプル音源の数が多いのは?
- 音源の音質が良いのは?
- 利用料金が安いのは?
- 無料でお試しできるのは?
- サイトやアプリが便利なのは?
- データの管理がしやすいのは?
① サンプル音源の数が多いのは?

まず、サブスクリプションサービスの最大のメリットであり、最も重要な要素が、利用できるサンプル音源の数ですよね。
選べるサンプル音源の数は、もちろん多いに越したことはありません。
なかでも「Splice Sounds」は、180万を超えるラインナップを保有しており、今回紹介するサブスクの中で最もサンプル数が多いサービスです。
② 音源の音質が良いのは?

せっかくサンプル音源の選択肢が多くても、音質が悪いものでは意味がないですよね。
基本的に、今回紹介するサブスクリプションサービスは、どれも正式に販売契約を結んだプロの音源だけを扱っていますので、その点については安心できます。
なかでも「Noiiz」は、もともとサンプルパックやソフト音源の販売で有名なイギリスのSamplePhonics社が、自社の作品を使って始めたサービスなので、全体のクオリティが統一されていて安心です。
③ 利用料金が安いのは?

サブスクリプションサービスを選ぶときに、やはり気になるのが、そのお値段ですよね。
基本的に、同じサブスクの料金プランを比較したときに、ひと月にダウンロードできるサンプル数が多いプランの方がお得になる傾向があります。
たとえば、「Splice Sounds」の各プランにおける、1サンプル当たりの価格を算出してみると、以下の通りです。
プラン | 利用料金 | 1サンプル当たり の価格 |
---|---|---|
100credits | 7.99ドル (約850円) | 0.1598ドル (約17.04円) |
300credits | 13.99ドル (約1,500円) | 0.0933ドル (約9.91円) |
600credits | 21.99ドル (約2,400円) | 0.0733ドル (約7.78円) |
※ 1サンプル = 2creditsとして算出
④ 無料でお試しできるのは?

今回紹介するサブスクリプションサービスは、全て、一定期間無料でお試しすることができます。
ただし、無料でお試しできる内容については、各サービスによって違います。
無料お試し期間中に、利用できる内容の違いは、以下の通りです。
サブスク | お試し期間 | 無料でできること |
---|---|---|
Splice Sounds | 14日間 | サンプルの検索・試聴のみ。 |
Loopcloud | 30日間 | Studioプラン(300points)の機能をフルで利用可能。 商品の検索・試聴・ダウンロード。 |
Noiiz | 30日間 | Lightプラン(100MB)、Regularプラン(300MB)を利用可能。 ただし、ダウンロード合計1GBまで。 |
Sounds.com | – | サンプルの検索・試聴のみ。 ※ユーザー登録無しで利用可能。 |
この表を見れば分かるとおり、「Loopcloud」だけが唯一、無料お試し期間に、フルで機能を使うことができます。
さらに、Loopcloudには、無料でサンプル音源が手に入るFreeプランも存在する、とても太っ腹なサービスといえます。
⑤ サイトやアプリが便利なのは?

Webサイトやアプリの機能が充実していて使いやすいと、便利で良いですよね。
なかでも「Loopcloud」は、専用アプリを使って検索したサンプル音源を、加工・編集できて、DAW上でプラグインとして起動して音を鳴らすことができます。
しかも、購入前のサンプル音源も、同じようにDAW上で音を鳴らせてしまえるんです。
⑥ データの管理がしやすいのは?

サンプル音源をダウンロードし続けていると、当然ながらパソコンの容量が足りなくなってしまいますよね。
特に、サブスクリプションサービスでダウンロードできる音源は、そのほとんどが非圧縮のWAVE形式なので、意外とすぐにストレージを食いつぶしてしまいます。
なかでも「Loopcloud」や「Noiiz」で、有料プランを利用すると、クラウドストレージがセットで付いてくるので、データの保存先に困りません。
サンプル音源のサブスクリプションサービスの注意事項は?
サンプル音源のサブスクリプションサービスを実際に利用してみて感じた、注意すべき点について解説します。
- オンラインなのでネットの回線速度が重要
- サンプル音源だけに依存しがち
① オンラインなのでネットの回線速度が重要

サブスクリプションサービスは、全てのコンテンツがクラウド上にあるので、インターネットに接続されていることが大前提となるサービスです。
そのため、利用する時の快適度合も、ネットの回線速度に大きく依存することは簡単に想像できますよね。
特に専用のアプリを使って音源を購入したり、DAW上と連携させて使う場合は、ネットが遅延していると、かなりストレスです。
② サンプル音源だけに依存しがち

今回紹介するサブスクリプションサービスで入手できるサンプル音源は、どれもクオリティが高いものが多く、ジャンルや種類も幅広いです。
それゆえ、集めたサンプル音源をいくつか並べただけで、違和感なく1曲まるごと完成してしまいます。
商業用であればそれでも全く問題ありませんが、音楽としては少しオリジナリティに欠けてしまいますよね。
サンプル音源のサブスクリプションサービスのおすすめは?
それでは、ここまでの情報を踏まえて、DTMについてそれなりの知識がある私が、皆さんの立場だったらどのサービスを利用するか、おすすめのサブスクリプションサービスを、コスパ重視のランキング形式で紹介します。
- Loopcloud
- Splice Sounds
- Noiiz
- Sounds.com ※
※Sounds.comは、現時点で日本国内のIPアドレスからは利用できません(2020年5月時点)。
1位 Loopcloud
便利な機能満載でコスパの高いサンプル音源サブスク!
「Loopcloud」は、イギリス・ブライトンのLoopmasters社が運営しているサブスクです。
最大の特徴は、毎日無料で5つのサンプル音源が手に入る「Freeプラン」が存在していることと、専用アプリでサンプルの加工・編集ができることです。
また、クラウドストレージが付いてきたり、無料お試し期間にフルで機能をお試しできるなど、全てにおいて太っ腹なサービスなので1位としました。
サンプル音源の数 | 約170万(1,741,331) |
---|---|
取り扱い商品 | 音声ファイル、プリセット、MIDI |
料金プラン(月額) | Free(0 points):無料 Artist(100 points):5.99ポンド(約795円) Studio(300 points):9.99ポンド(約1,395円) Pro(600 points):19.99ポンド(2,495円) |
料金プラン(年額) | Artist(100 points):59.9ポンド(約7,950円) Studio(300 points):99.9ポンド(約13,950円) Pro(600 points):199.9ポンド(24,950円) |
1サンプル当たりの価格 | 0.1198ドル(約12.77円) ※1サンプル=2pointsとして算出 |
無料お試し | ・30日間の無料トライアル期間。 ・フル機能を使える(商品の検索・試聴・ダウンロード)。 |
専用アプリ | サンプルの検索・購入、DAWへのサンプル貼り付け、サンプルの加工・編集、エフェクト処理 |
クラウドストレージ | Artist:5GB Studio:50GB Pro:250GB |
2位 Splice Sounds
使いやすく人気の安定したサンプル音源サブスク!
「Splice Sounds」は、ニューヨークのDistributed Creation社が運営している利用者の多いサブスクです。
最大の特徴は、音源のラインナップが一番充実していることと、使い方がシンプルなので、サブスクを初めて利用する人でも違和感なく使いこなせることです。
クラウドストレージは利用できませんが、シンプルにサンプル音源を探すのには申し分のないサービスなので2位としました。
サンプル音源の数 | 約180万(1,816,933) |
---|---|
取り扱い商品 | 音声ファイル、プリセット、MIDI、ビート |
料金プラン(月額) | 100 credits:7.99ドル(約850円) 300 credits:13.99ドル(約1,500円) 600 credits:21.99ドル(約2,400円) |
料金プラン(年額) | 100 credits:79.99(約8,530円) 300 credits:139.99ドル(約14,920円) |
1サンプル当たりの価格 | 0.1598ドル(約17.04円) ※1サンプル=2creditsとして算出 |
無料お試し | ・14日間の無料トライアル期間。 ・サンプル音源のダウンロード不可。 |
専用アプリ | サンプルの検索・購入、DAWへのサンプル貼り付け |
クラウドストレージ | – |
3位 Noiiz
インストゥルメントも評判のサンプル音源サブスク!
「Noiiz」は、サンプルパックやソフト音源の販売で有名なイギリスのSamplePhonics社が運営しているサブスクリプションサービスです。
最大の特徴は、サンプル音源やプリセットだけでなく、音が良いと評判の「インストゥルメント」が使えることです。
サブスクで、サンプル音源とインストゥルメントが両方使えるのは、Noiizだけになります。
サンプル音源の数 | 約20万 |
---|---|
取り扱い商品 | 音声ファイル、プリセット、インストゥルメント |
料金プラン(月額) | Light(100MB):5ドル(約530円) Regular(300MB):10ドル(約1,070円) |
料金プラン(年額) | Unlimited(制限なし):199ドル(約21,220円) |
1サンプル当たりの価格 | 0.1ドル(約10.66円) ※1サンプル=2MBとして算出 |
無料お試し | ・30日間の無料トライアル期間。 ・1GBまでダウンロード可能。 |
専用アプリ | サンプルの検索・購入、DAWへのサンプル貼り付け |
クラウドストレージ | Light:1GB Regular:3GB Unlimited:無制限 |
4位 Sounds.com
Native Instrumentsの公式サンプル音源サブスク!
「Sounds.com」は、Native Instruments社が運営しているサブスクリプションサービスです。
現在はまだ日本国内のIPアドレスからは利用できませんが、参考までに分かっている情報を載せておきます。
なんといっても、DTMerなら誰もが一度は耳にするNative Instrumentsのサービスなので、日本上陸への期待が高まりますよね。
サンプル音源の数 | 約150万 (1,507,658) |
---|---|
取り扱い商品 | 音声ファイル、プリセット、インストゥルメント |
料金プラン(月額) | Essential(150credits):9.99ドル(約1,065円) Pro (500credits):19.99ドル(約2,132円) Ultimate(1000credits):29.99ドル(約3,198円) |
料金プラン(年額) | – |
1サンプル当たりの価格 | 0.1332ドル(約14.2円) ※1サンプル=2creditsとして算出 |
無料お試し | ・14日間の無料トライアル期間。 ・75creditsまでダウンロード可能。 |
専用アプリ | – |
クラウドストレージ | – |
まとめ
サンプル音源が入手できるサブスクリプションサービスについて、選び方からおすすめのサービスまで、徹底的に解説しました。
この記事で解説した内容のポイントをまとめると、以下の通りです。
- サンプル音源サブスクとは、月額料金でサンプル音源を入手できるサービス。
- サービスによって、音源の数・機能・料金・無料お試しなどの内容が異なる。
- 自分のニーズにマッチしたサービスを選ぶこと。
- サブスクは最初にお試ししてみるべき。
サブスクリプションサービスは、これから先、DTMerにとって当たり前のような存在になっていくでしょう。
時代に乗り遅れないように、これらの便利なサービスを上手に活用しつつも、DTMで最も大切なオリジナリティは忘れないようにしてくださいね。
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