おすすめのベース音源を探している人へ。
「Trillian」と「Modo Bass」の2つが有名ですが、誰に対してもこれらをおすすめできるかといえば、そうでもありません。
2020年現在では、最新のベース音源がたくさん登場していますので、改めておすすめできるものをランキング形式で紹介します。
この記事は、DTM歴7年で楽曲のリリース経験もある現役トラックメイカーDTM部長(@dtmbu)がまとめています。
Contents
ベース音源の選び方
冒頭で触れたように、ベース音源の2大プラグインのどちらかに決める人は多いです。
確かにこれらは、以下のような理由から、不動の人気を獲得しています。
- 音質が良い、リアルな演奏を再現できる
- モデルとするベースの種類やプリセットが多い
- 付属エフェクトが充実している
ただし、いずれも2~3万円する高額なプラグインのため、どんな人にとっても躊躇なくおすすめできるかと言えば、そうではないです。
具体的には、人によっては少しオーバースペックになるケースがあるのです。
たとえば、あなたが、以下のいずれかに当てはまる場合です。
- ベースもDTMも未経験の初心者
- ある特定のジャンルの楽曲しか作らない
これらの場合は、1万円代で、2大プラグインに引けを取らないクオリティのものが手に入ります。
そのため、この記事では、皆さんのニーズに合わせたおすすめベース音源をランキング形式で紹介します。
それでは、さっそくいってみましょう。
本格的に始めたい人におすすめなベース音源
すでに音楽制作の経験者で、バリバリ曲を作っている人で、今後、より楽曲のクオリティを上げていきたいという人。
また、かなり幅広いジャンルの音楽を手掛けるような人には、「Trilian」か「Modo Bass」がピッタリです。
1位:Spectrasonics – Trilian
膨大な種類のベース音源が揃った老舗プラグイン!
Trilianの最大の魅力は、アコースティックからエレキ、シンセなど、豊富なベース音源と30を超えるエフェクトの種類です。
また、音質もリアルでアーティキュレーションも細かくに作り込むことができるため、ベース音源として申し分ないクオリティです。
ただし、容量が大きく、負荷も軽くはないため、安価なノートパソコンで手軽に使えるタイプではないので、そこだけは注意が必要です。
価格 | 24,200円(2020.06) |
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発売時期 | 2009年 |
容量 | 約34GB |
動作環境 | OS:Windows7、Mac OSX 10.12以上 CPU:Intel 2.4GHz以上 メモリ:4GB以上(8GB以上推奨) |
エフェクト | 32種類以上 |
・5弦のMusic Man Studio Bass、Fender Jazz Bass、Epiphone? Retro 60s Bass、Hardcore Rock 5-string、Lakland Rock P-Bass、Chapman Stick と、多種多様なエレクトリック・ベース。
Soundhouse
・Yamaha CS-80、Cwejman Modular、Moog Minimoog、Little Phatty、Voyager、Taurus Pedals、Korg MS-20、Oberheim 2 voice、ARP 2600、Roland Juno 60/106、Waldorf Pulse、DSI Mopho & Tetra、Roland TB-303、SH-101、Metasonics KV-100 Assblaster、SE-1、Omega、ATC-1、Novation Bass Stationなど、333種類のシンセ・ベース。
・リマスター、強化されたTrilogyの音源も収録。
・Nomad Factoryなどの手による高品位なエフェクトを32種類も装備。チューブ・リミッター、コンプレッサー、ワウ、フィルター、EQ、ディストーション、リバーブ、ゲート・エキスパンダー、ステレオ・イメージャー、フランジャー、フェイザー、BPMディレイ、テープ・ディレイなど。
2位:IK Multimedia – Modo Bass
物理モデリングで使いやすいエレキベース専用音源!
Modo Bassはソフトシンセと同様に、パソコン上で1から音を合成するプラグインのため、サンプラーに比べて動作が軽いのがメリットです。
音質がとてもリアルで、スライドやスラップなどのアーティキュレーション(演奏表現)のバリエーションがTrilianより充実しています。
エレキベースに特化しているため、アップライトなどアコースティック系はありませんが、用途にハマれば重宝する1台です。
価格 | 33,000円(2020.06) |
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発売時期 | 2017年 |
容量 | 約180MB |
動作環境 | OS:Windows7、Mac OSX 10.9以上 CPU:Intel Core 2 Duo以上 メモリ:4GB以上(8GB以上推奨) |
エフェクト | 7種類以上 |
・初のフィジカル・モデリング・エレクトリック・ベース音源。
Soundhouse
・モーダル・シンセシス技術によりサンプル・データを使用せずに、リアルタイムにシンセシス。
・バラエティ豊かな、ecreate virtually every electric bass sound imaginable
・時代や音楽ジャンルを象徴する12機種のベースをモデリング。
・奏法、楽器、エフェクト、アンプなど、ベースの演奏のさまざまな側面をモデリング。
・メモリーの使用を最小限に抑えた効率的なシンセシス。
・フィンガー、スラップ、ピックの3奏法をモデリング。
・演奏する手の位置も移動可能
・指で弾く強さやピックの厚さなども設定可能。
・弦の数、スケール、チューニング、ゲージ、弦の巻き方や古さを設定可能。
・20種類のベース・ピックアップを忠実にモデリング。
・アクティブ / パッシブ回路の選択とEQ設定が可能。
・ブリッジの下に設置されたピエゾ・ピックアップをミックス可能。
・4つのエフェクト・スロットを装備し、7種類のベース用ストンプボックスから使用可能。
・AmpliTubeから採られたソリッド・ステートと真空管の2種類のアンプ。
・エフェクト / アンプ・セクションはバイパスが可能
・画面に合わせてリサイズ可能なユーザーインターフェース。
・Mac/PCでプラグインおよびスタンドアロン・アプリケーションとして動作。
・MIDIラーンやキー・スイッチに対応したMIDIコントロール機能。
・DAWのオートメーションに対応。
初心者におすすめなベース音源
TrillianやModo Bassが気になるかもしれませんが、ベースやDTMの未経験者にとって、ベース音源でリアルな打ち込みをするのは、難易度が高いです。
そんな人には、打ち込みをサポートしてくれる機能が搭載されているベース音源の方が、結果的に良いサウンドを作りやすいです。
1位:Toon Track – EZ Bass
初心者でも簡単にフレーズが作れる優れたベース音源!
2020年5月に発売された、初心者でもアイディアを具現化しやすいベース音源です。
たとえば、クリックでリズムを刻んだり、音声を録音すると、それにマッチしたフレーズを自動で検索してくれます。
あとは、好きなキーを選ぶだけで、フレーズが出来上がります。
使えるベースのモデルは2種類のみですが、音質もリアルなので、これから始める人にはピッタリの選択肢だと思います。
価格 | 16,500円(2020.06) |
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発売時期 | 2020年5月 |
容量 | 約2GB |
動作環境 | OS:Windows8、Mac OSX 10.9以上 ※64bitのみ対応 |
エフェクト | リバーブ、エコー、コンプ、EQ |
・2種類の丁寧にサンプリングされた5弦ベースを収録(モダン&ビンテージ)
SONICWIRE
・ソフトウェア上で簡潔に、ベース・トラックのアレンジ、作曲、変更、リアレンジが行えます。
・幅広いスタイルに対応するベースMIDI
・ドラムやピアノなどのMIDIやオーディオデータから、自動的に一致するベースラインを作成
・内蔵の「Grid Editor」を使用して、演奏やMIDIの微妙なディテールを調整可能
2位:Fujiya Instruments – Organic Bass
自動アーティキュレーションが便利なベース音源!
100%ハンドメイドで作られる最高峰のフェンダースタイル・オーガニックベースCelinder「Aura4」をモデルにした、指弾き音源です。
音質の良さはもちろんのこと、簡単な打ち込み操作でもリアルな演奏がつくれるという操作性の高さが魅力です。
国産プラグインなのでマニュアルも分かりやすく、初心者でも安心して使うことができます。
価格 | 129ドル(13,800円)※2020.06 |
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発売時期 | 2015年 |
容量 | 約8.8GB |
動作環境 | Kontakt5.8以降で動作 アンプシミュレーターは付属しない。 |
エフェクト | – |
Organic Fingered Bassには2つのパッチが収録されています。1つは弦のビビりが多めのセッティングをサンプリングしたもの。もう1つは弦のビビりが少なめのセッティングをサンプリングしたものになります。楽曲の雰囲気に合わせて、お好みのサウンドを使い分けることが可能です。
Fujiya Instruments
ベースは同じ音程でも弦によってそのサウンドが大きく異なります。Organic Fingered Bassでは、各弦のサンプルを収録してあります。弦の指定はキースイッチだけでなく、自動的に選択される仕組みがKSPによって実現されています。オート選択時の設定も各弦の範囲をノブ(MIDI CC対応)を回すだけで設定できます。
ベースはスライド、ハンマリング、プリングによってそのグルーブが大きく変化します。レガートに入力するだけで音程差を検知し、自動で適切なサンプルが再生されます。スライドは1フレット分から12フレット分までの音程差のスライドを収録してあります。
購入は公式サイトからどうぞ。
また、以下の3つがセットになったお得なバンドルもあります。
- Organic Fingered Bass
- Organic Picked Bass
- Organic Slapped Bass
結局一番良く使う手頃なベース音源
多くの場合、作りたい楽曲のジャンルって、だいたい決まってくると思います。
また、そもそもベースは主役になることがあまりないので、そこまでバリエーションがなくても良いという意見もあると思います。
そんな人に、1万円前後のお値段で、音質の良いベース音が得られる、なんだかんだいって、一番活躍しそうな音源を紹介します。
1位:Ample Sound – Ample Bass P Ⅲ
音質と操作性のバランスがとれた使い勝手の良い音源!
様々なモデルのギター、ベース音源を取り扱う中国・北京発のブランド、Ample Soundの人気ベース音源です。
音質が良く、アーティキュレーション機能も充実してますが、何よりインターフェイスが分かりやすくて使いやすいのが魅力です。
ベースは1種類のみ(本製品だとFender「Precision」)ですが、スタンダードなモデルなので、様々なジャンルで使えます。
価格 | 14,036円(2020.06) |
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発売時期 | 2019年 |
容量 | 約3.6GB |
動作環境 | OS:Windows8、Mac OSX 10.9以上 ※64bitのみ対応 |
エフェクト | リバーブ、エコー、コンプ、EQ |
FENDER PRECISION BASS を思うがままに指弾きで演奏するベース音源です。
SONICWIRE
PRECISION BASS の各弦0フレット~22フレットを丹念にサンプリングしたナチュラルサウンドを、約3.6GB のライブラリに収録。プレベサウンド独特の中低域をそのまま取り込んだ、アンプシミュレータとも相性の良いサウンドです。ベロシティレイヤーとラウンドロビンにより、ベースの基本となるルート弾きの際にも「マシンガン効果」の発生を抑えます。また、各弦は最大1音のダウンチューニングに対応し、更に4弦はLow-Bまで発音可能です(サステインのみ)。
サステインやパームミュート、スライド・イン/アウト、スタッカート、スラップ他、必要十分なアーティキュレーションを網羅。適所でフレットノイズを自動挿入するほか、弦のビビリや強く弾いた際のアクセントノイズ、デッドノートなども用意され、生き生きとした演奏の再現が可能。必要十分のアーティキュレーションや機能を持ちながら、とても扱いやすく設計されています。
また、Ver.3 より新たにビルトイン・アンプシステムを搭載!アンプヘッド3種/キャビネット4種/マイク4種からお好きなモデルを選択し、インストールしたその時からビンテージ・アンプのサウンドが手に入ります!その他、最長8小節のリフ/フレーズなどを作成する「Rifferパネル」、タブ譜・スコア編集ソフト「Guitar Pro」のフォーマット(”.gp3″ “.gp4” “.gp5” “.gpx”)で作成されたタブ譜を読み込み、演奏する「Tab Player パネル」を搭載。バージョン3 にて大きく刷新された「FXパネル」は、8-band EQ、RMS とPeak を選択可能なコンプレッサー、6-Tap Echo、IR Reverbを搭載し、視覚的にも分かりやすく使いやすく進化しました。『AMPLE BASS P III』で、ゆるぎない伝統を受け継ぐベース・サウンドをその手に!
2位:Native Instruments – Scarbee Pre Bass
お手頃価格で使える、高コスパのベース音源!
1万円以下で購入できる安さの割に、音質もリアルでとても使えるベース音源です。
先ほどと同じくFender「Precision Bass」をモデルにしており(他モデルもあり)、アーティキュレーション機能も充実しています。
Native Instrumentsが開発しているため、クオリティには安定感があります。Kompleteにも含まれています。
価格 | 9,300円(2020.06) |
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発売時期 | 2009年 |
容量 | 約2.9GB |
動作環境 | Kontakt、Kontakt Playerで起動 OS:Windows8、Mac OSX 10.9以上 |
エフェクト | リバーブ、エコー、コンプ、EQ |
ファットでがっちりしたプレベのサウンドを得るためにラウンドワウンド弦で録音されたSCARBEE PRE-BASS は、直感的に演奏するための技術も多く搭載されています。多様な表現が可能なので、本当にリアルな演奏を楽しむことができます。そのジャンルも、レゲエからポップ、ロックからヒップホップ、R&Bなどと非常に多岐にわたります。
Native Instruments
SCARBEE PRE-BASS は完全にリアルタイムで演奏することが可能で、ほとんどすべてのアーティキュレーション(ミュート、ハーモニック、ハンマリング、プルオフなど)がキースイッチを必要とせずに実行できます。さらに、SCARBEE PREBASS では演奏中でもKONTAKT のインターフェイス上に、上記のような演奏テクニックをフレットボード上に表示させることができます。サンプルの数は4000を超え、4本の弦、9つのベロシティ・レイヤーをカバーしています。そして、演奏が非常に直感的でリアルになるアドバンスド・スクリプトが搭載されており、これもSCARBEE PRE-BASSがプロたちのお気に入りになる理由となるでしょう。
単品は公式サイトから購入できます。
また、Komplete Ultimateのバンドルにも含まれています。
3位:Ilya Efimov – Modern Bass
ポップス全般に相性の良いリアルベール音源!
ロシアの音源メーカーIlya Efimovが開発するこちらのKontakt用音源は、とてもはっきりした明るい音が特徴。
音の繋がりも自然で、Modern Bassというだけあって、ポップス全般で活躍してくれそうな音質です。
約1万円という価格でこのクオリティという、非常にコスパの良いプラグインです。
価格 | 99ドル(10,600円)※2020.06 |
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発売時期 | 2013年 |
容量 | 約3.74GB |
動作環境 | Kontakt4.2.4, Kontakt5で起動 OS:Windows7、Mac OSX 10.6以上 メモリ:4GB以上 |
エフェクト | – |
・3941サンプル, 24bit, 44.1KHz
Ilya Efimov
・12ベロシティレイヤー, 21フレットのラウンドロビンアルゴリズム
・指弾き, スラップ, ミュート
・スラップのアーティキュレーション設定
・アタックコントロール
・スライド
・ノート間のグリッサンド
・ノイズエフェクト
・アンプとトーンエフェクト
購入は公式サイトからどうぞ。
まとめ
結論としては、こうです。
- TrillianとModo Bassは音質や機能面では申し分ないが、2~3万円するので気軽には買えない。
- ベースの種類は限られているが、1万円代で音質・演奏表現に優れたプラグインも多いので、多くの人にはこちらがおすすめ。
- さらに初心者の場合は、アーティキュレーション表現をサポートしてくれる機能が充実しているものがおすすめ。
以上のことから、ベース音源は、TrilianかModo Bassの2択と決めつけずに、本当に自分のニーズに合ったものを選ぶことをおすすめします。
そうすれば、無駄な出費を減らして、ソフトシンセなど、もっと他のプラグインに投資することができますよ。