「プラグインって色々買っても、本当によく使うものって限られてくるし、もったいないよな~。」と思っている人へ。
そこで、そんな人におすすめな、プラグインのサブスクリプションサービス「Splice Plugins」について、その内容のレビューから使い方までを詳しく解説します。
この記事は、DTM歴7年で楽曲のリリース経験もある現役トラックメイカーが書いています。
- Splice Pluginsとは?具体的に何ができるの?
- Splice Pluginsの使い方は?
Contents
Splice Pluginsとは?
「Splice Plugins(スプライスプラグインズ)」とは、月額料金を支払うことによって、ソフト音源やエフェクトなどのプラグインが使えるサブスクリプションサービスです。
ニューヨークのDistributed Creation社が運営している「Splice(スプライス)」のサービスのひとつで、Spliceのサービスは他にも以下のようなものがあります。
- Splice Sounds(サンプル音源)
- Splice Plugins(プラグイン)※本記事
- Splice Studio(プロジェクトファイル)
- Splice Community(データ共有)
この記事では、この中からプラグインのサブスクリプションサービスである「Splice Plugins」について解説していきます。
Splice Pluginsで取り扱われているプラグインの購入方法は、以下の3種類があります。
- Rent-To-Own(購入選択権付きレンタル)
- Buy(一括払い)
- Free Plugins(無料)
また、初めに3日間の無料トライアル期間が設けられています。
① Rent-To-Own(購入選択権付きレンタル)
「Rent-To-Own(レント・トゥ・オウン)」とは、購入選択権付きレンタルという意味で、月額でプラグインをレンタル利用して、決められた期間レンタル料を支払い続けると、それを自分のものにできるというサービスのことです。
たとえば、EDMで人気のシンセ「Serum」の場合、月額9.99ドル(1,000円程度)で利用でき、19ヶ月間利用すると自分のものになります。
分割払いに似てますが、いつでも途中で利用をキャンセルすることができるのがメリットです。
② Buy(一括払い)
「Buy(一括払い)」と記載されたプラグインは、一般的なプラグインを購入する時と同様に、一括払いによる購入となります。
また、「Rent-To-Own」のプラグインも、途中から一括払いで購入することができます。
③ Free Plugins(無料)
Splice Pluginsには、約70種類以上のフリープラグインが準備されています。
Spliceのユーザーアカウントを作成(無料)すれば、誰でも無料でダウンロードすることができます。
Splice Pluginsで入手できるものは?
Splice Pluginsで入手できるプラグインの数は、それぞれ以下の通りです。
- Rent-To-Own:37
- Buy:375
- Free Plugins:76
※2020年4月時点の情報。
メジャーどころだと、以下のようなメーカーのものがあります。
Wavesをはじめ、人気のある有名メーカーのプラグインがラインナップされていますが、残念ながら、Rent-To-Own(月額)で利用できるものは、そこまで多くありません。
Splice Pluginsのおすすめプラグインは?
Splice Pluginsのプラグインの中から、特におすすめしたいプラグインをいくつか紹介したいと思います。
- Xfer Records | Serum
- iZotope | Ozone 9
- Xfer Records | OTT
① Xfer Records | Serum
「Serum」は、EDMなどのジャンルで人気のサンプリング方式のシンセサイザーです。
手軽に幅広い音作りができるので、多くのプロデューサーが愛用しています。
プラン | Rent-To-Own |
---|---|
料金 | 9.99ドル(約1,000円) / 19ヶ月 |
② iZotope | Ozone 9
「Ozone 9」は、マスタリング用のエフェクトプラグインです。
AIによる自動マスタリング機能が搭載されており、下手に自分で触るより上手にマスタリングができるため、初心者にはうってつけのプラグインです。
プラン | Rent-To-Own |
---|---|
料金 | Standard: 9.99ドル(約1,000円) / 19ヶ月 Advanced: 19.99ドル(約2,000円) / 25ヶ月 |
③ Xfer Records | OTT
「OTT」は、Serumを開発するXfer Records社のマルチバンドコンプレッサーです。
こちらはフリープラグインなので、Splice Pluginsにユーザー登録すれば、無料でダウンロードすることができます。
プラン | Free Plugins |
---|---|
料金 | 無料 |
Splice Pluginsのメリットは?
Splice Pluginsのサービスを利用することのメリットは、以下の通りです。
- 最小限のコストでプラグインが使える
- 途中でやめることができる
- プラグインの全機能をお試しできる
① 最小限のコストでプラグインが使える
Splice Pluginsの最大のメリットは、通常、数万円程度するプラグインを最小限のコストで実際に利用できるところです。
例えば、EDMで人気のシンセ「Serum」は通常購入すると2万円程度しますが、Splice PluginsのRent-To-Ownであれば、わずか9.99ドル(1,000円程度)で利用開始することができます。
③ 途中でやめることができる
Splice Pluginsの2つ目のメリットは、「Rent-To-Own(購入選択権付きレンタル)」によって、利用中のプラグインが気に入らなかった場合に途中でキャンセルすることができるところです。
プラグインは、実際に使ってみないと良し悪しを判断するのが難しいです。
ガッツリ使ってみて、気に入らなかったらすぐにキャンセルできるのは、無駄な費用が抑えられて安心ですよね。
② プラグインの全機能をお試しできる
購入前にその良し悪しを判断するために、一般的なプラグインにもデモ版が用意されているものもありますが、ほとんどの場合、さまざまな使用制限があります。
たとえば、「Serum」なら、デモ版は15分間だけ使用できる。などです。
という人には、最小限のコストで全機能をフルにお試しできるSplice Plugsinsがおすすめです。
ちなみに、無料トライアルでも3日間はお試しできますからね。
Splice Pluginsを利用する上での注意点は?
次に、Splice Pluginsを実際に使ってみて感じた、注意すべき点やデメリットについて説明します。
- Rent-To-Ownできるプラグインが少ない
- 無料トライアルは3日間だけ
- 通常購入の方が安い場合がある
① Rent-To-Ownできるプラグインが少ない
Splice Pluginsでは、400種類以上のプラグインを取り扱っていますが、今のところ、Rent-To-Own(購入選択権付きレンタル)できるのは、37種類のみです(2020年4月時点)。
② 無料トライアルは3日間だけ
Splice Pluginsには、最初に3日間の無料トライアル期間があります。
この期間には、無料で「Rent-To-Own」のプラグインをお試し利用することができます。
ただし、3日以内に手動でキャンセルしなかった場合は、そのまま月額料金サービスが開始してしまうので注意しましょう。
③ 通常購入の方が安い場合がある
多くのプラグインは、ブラックフライデーなどのタイミングで定期的にセールをしています。
そのため、セール中のサイトから普通に購入した方が、安くなる場合があります。
プラグインのセール情報は、以下の記事で更新していますので、チェックしてみてください。
リンク準備中
Splice Pluginsの始め方は?
さっそくSplice Pluginsを試してみたい!という人のために、始め方を紹介していきます。
先ほど説明した通り、Splice Pluginsでは、最初に3日間無料でプラグインをお試し利用することができます。
Splice Pluginsの始め方は、以下の手順です。
- ユーザー登録
- 無料トライアル申し込み
- アプリをインストール
① ユーザー登録
まず、Splice PluginsのWebサイトにアクセスします。
はじめに、Spliceのユーザー登録(無料)が必要になりますので、[Sign Up]か[Try for free]のどちらかをクリックします(どっちをクリックしても結果は同じです)。
ユーザー名、本名orアーティストネーム、メールアドレス、パスワードを入力したら、[I agree to Splice’s Terms & Privacy Policy(規約に同意する)]にチェックを入れてユーザー登録完了です。
入力したメールアドレス宛に確認メールが届きますので、メール本文にあるリンクボタンの[Confirm Email(確認)]をクリックする。
② 無料トライアル申し込み
ユーザー登録が完了したら、再度Webサイトにログイン(Log In)します。
好きなプラグインを選んで、[Start free trial]をクリックします。
クレジットカード情報を登録して、[Start for free]をクリックすると、3日間無料トライアルが開始されます。
③ アプリをインストール
次に、プラグインをインストールするために、Spliceのデスクトップアプリをインストールします。
[Studio]→[Install Splice]の順か、[右上のユーザーのロゴ]→[Install]の順にクリックしてインストーラー(.exeファイル)をダウンロードします。
インストールが完了したらアプリを起動して、作成したSpliceのユーザーアカウントでログインします。
これでプラグインを使うための準備が整いました。
Splice Pluginsの使い方は?
Splice Pluginsの使い方はとっても簡単です。手順にそって解説します。
- Webサイトでプラグインを購入
- Spliceアプリからプラグインをインストール
① Webサイトでプラグインを購入
基本的な使い方は、Webサイトで好きなプラグインを検索して、気に入ったものを購入するだけです。
② Spliceアプリからプラグインをインストール
ブラウザでサンプルをダウンロードすると、自動でSpliceアプリに結果が反映されます。
Spliceアプリで[Tools]を選択して、購入したプラグインの[Install]をクリックします。
[Install]をクリックすると、ポップアップウィンドウが立ち上がってインストールが始まります。
Splice Pluginsの一括購入やキャンセルは?
[Rent-To-Own]で利用中のプラグインを途中から一括購入したり、逆にキャンセルする方法についても、紹介しておきます。
- Rent-To-Ownを途中から一括購入する方法
- Rent-To-Ownを途中でキャンセルする方法
① Rent-To-Ownを途中から一括購入する方法
Rent-To-Ownで利用中のプラグインが気に入った場合は、残りの分割料金をまとめて支払うことで、そのまま購入することができます。
SpliceのWebサイトにログインして右上のアイコンから[Billing(請求)]をクリックします。
Billingのページの[YOUR PLANS(プラン内容)]のところにある、[Manage]をクリックします。
[Pay remaining balance(残額を払う)]をクリックします。
なお、支払う残額は、[REMAINING]に記載された金額になります。
② Rent-To-Ownを途中でキャンセルする方法
Rent-To-Ownで利用中のプラグインが自分に合わなかったので、キャンセルしたい場合は、先ほどの[Manage]の画面で、[Cancel plan]をクリックします。
これで、Rent-To-Ownのプランが終了し、これ以降の月額料金を支払う必要がなくなります。
3日間の無料トライアル期間内に、無料のままお試しを終了する場合も、同じ手順になります。
まとめ
Splice Pluginsとは何か、そのメリット・デメリットや具体的な使い方について解説しました。
この記事で解説した内容のポイントをまとめると、以下の通りです。
- Splice Pluginsとは、プラグインのサブスクリプションサービス。
- 月額で利用できるプラグインは現状で37種類。
- 月額1,000円程度から利用でき、いつでも途中でキャンセルできる。
- 一度試してみる価値は十分にある。
Splice Pluginsは、プラグインを月額で利用できる、とても便利で新しいサービスなので、欲しいプラグインがある場合は、ぜひ一度活用してみてください。
なお、Spliceの他のサービスについても知りたい人は、以下の記事もチェックしてみてください。