楽曲を耳コピするときなど、「曲のキーってどうやって調べたらよい?」という疑問をお持ちの人へ。
DTM歴7年で楽曲リリース経験のある現役トラックメイカーが、曲のキーの調べ方について、初心者向けに分かりやすく解説します。
- 曲のキーってそもそも何?
- 曲のキーの調べ方は?
Contents
曲のキーとは?
「キー(Key)」とは、楽曲の音の高さとノリ(雰囲気)のことです。
カラオケを歌うときに変更するキーは、音の高さ(音高)を変えているだけですが、音楽理論としての「キー(Key)」は、音の高さと合わせて曲の雰囲気も表現しています。
音楽理論としてのキー(Key)は、「CM」とか「Cmaj」のように表され、具体的に以下の情報を持っています。
- 音階:C~Bの音階のいずれか。
- 調:maj(メジャー、長調)かmin(マイナー、短調)のいずれか。
曲のキーの調べ方は?
楽曲のキーの調べ方は、以下の手順で行っていきます。
- 使われているコードを確認する。
- ダイアトニックコードからキーを推定する。
- コードの並び順から調を推定する。
① 使われているコードを確認する。
まずは、楽曲の中で使われているコードを確認します。といってもひとつひとつ調べていくのは非効率なので、より簡単な方法をご紹介します。
カデンツの法則によって、コードは最終的に、安定した状態の音である「トニック(T)」の役割を持つコードに戻ろうとする傾向があります。
そのため、以下の位置に登場するコードを確認すれば、トニックが分かり、キーが判定できます。
- 曲の最後のコード
- 終止感があるコード
曲の最後のコード
「ジャーン」と終わる、曲の最後のコードを調べます。これなら比較的簡単に調べられるかとと思います。
たとえば、最後のコードが「C」で終わっていれば、トニックが「C」、すなわち「キー=Cmaj(Cメジャー)」である可能性が高いです。
ちなみに、コードの調べ方としては、ギターやキーボード、DAWのピアノロールなどを使って適当なコードを弾いてみて、「もうちょっと高い音かな?」「もうちょっと低い音かな?」という具体で、同じ鳴り方をする音を探していきます。
終止感があるコード
盛り上がっていって元に戻るような、落ち着く、安定感、終止感があるイメージの響きをもつコードを探してください。
たとえば、「G→C」の流れがある場合、「G」も「C」も、キー=Cのダイアトニックコードに含まれていることが分かります。
そこから、「キー=Cmaj(Cメジャー)」である可能性が高いと推定することができます。
② ダイアトニックコードからキーを推定する。
使われているコードが分かってきたら、ダイアトニックコードの一覧表を見ながら、楽曲中で使われているコードが、どのダイアトニックコードに含まれるのかを確認します。
同じキーのダイアトニックコードがいくつか見つかった場合は、楽曲も、そのキーである可能性が高いためです。
以下に、ダイアトニックコードの一覧表(メジャー、マイナー)を載せておきます。
たとえば、楽曲の中で、以下のコードが使われていることが分かったとします。
G、C、D、Bm
これらが含まれるダイアトニックコードを確認すると、「キー=G」か「キー=Em」のどちらかであると推定することができます。
つまり、この楽曲のキーは、「Gmaj(Gメジャー)」か「Emin(Eマイナー)」のどちらかであると絞り込むことができます。
③ コードの並び順から調を推定する。
含まれているコードから、該当するキーが絞りこめたら、その次に、コードの並び順を確認します。
たとえば、コード進行が、以下の順番になっていることが分かったとします。
G → C → D → Bm
「カデンツの法則」から、流れの始めと終わりは「T(トニック)」になるので、「G」と「Bm」が「T(トニック)」の役割になっているスケールと考えると、
この楽曲のキーは、「Gmaj(メジャー)」であると推定することができます。
まとめ
曲のキーの調べ方について解説しました。
この記事で解説した内容のポイントをまとめると、以下の通りです。
- 曲のキーは使われているコードから推定できる。
- どのダイアトニックコードなのかで推定できる。
- コード進行から推定できる。
曲のキーの調べ方をマスターすれば、バンドで楽曲を耳コピするときに、とても役に立ちます。
ぜひこの記事で解説した内容を理解して、どんどん耳コピをしていきましょう。
なお、コード進行の仕組みについて、より詳しく知りたい人は、以下の記事も読んでみてください。
また、その他の音楽理論に関する記事は、以下にまとめています。