音楽理論

音楽のジャンルを名曲から学ぼう。違いはリズムとBPMだけ。

音楽のジャンルを名曲から学ぼう。違いはリズムとBPMだけ。

オリジナル曲のクオリティを上げるために、世の中にある音楽のジャンルを知っておきましょう。

自分が作りたい曲とは異なるジャンルの音楽の「美味しい部分」を知ることで、それを自分の曲にも反映して面白い曲を作ることができます。

新しく生み出される作品は、こうやって色んなジャンルの要素が融合して生まれています。

そのため、幅広いジャンルを知ることは、自分の大きなメリットになるのです。

この記事でわかること
  • 音楽のジャンルの違いって何?
  • ジャンルを代表する名曲は?

音楽のジャンルの違いとは?

世の中には数えきれないほどの、音楽のジャンルが存在しています。

ところで、ジャンルの違いって何だか知っていますか?

タクヤくん
タクヤくん
いや、あらためて聞かれると分からない!

音楽のジャンルの違いは、主に以下の2つの要素によって区別されます。

ジャンルの違いを決める要素
  1. リズム(ビート、拍子)
  2. テンポ(BPM)

① リズム

リズムとは、決まった時間に規則的に音が鳴るパターンのことです。

具体的には、ドラム(キック、スネア、ハイハットなど)の音が鳴るタイミングの違いが、リズムの違いになります。

② テンポ

テンポとは、曲の再生スピードのことです。

「BPM」という、1分間に何回リズムを刻むかという数値によって表現されています。

なお、リズムとテンポについては、以下の記事でより詳しく解説しています。

音楽のジャンルを知ろう

それでは、さっそく音楽のジャンルについて紹介していきますが、音楽のジャンルはざっくり2種類に分けられます。

ボーカル、ギター、ピアノなどの主旋律がメインのジャンル

メロディーラインやボーカルが目立つ、音楽のジャンルは、以下の通りです。

  • Classic(クラシック)
  • Jazz(ジャズ)
  • Blues(ブルース)
  • Rock(ロック)
  • Punk(パンク)
  • Metal(メタル)
  • R&B(アールアンドビー)
  • Pops(ポップス)

ドラムなどのリズム体がメインのジャンル

リズム体が目立つ、ダンス向きの音楽のジャンルは以下の通りです。

  • Funk(ファンク)
  • Ragge(レゲエ)
  • HipHop(ヒップホップ)
  • Trap(トラップ)
  • Drum&Bass(ドラムンベース)
  • Dubstep(ダブステップ)
  • Disco(ディスコ)
  • House(ハウス)
  • Techno(テクノ)
  • Future Bass(フューチャーベース)
  • EDM(イーディーエム)

それでは、これを踏まえて、音楽のジャンルを時代の名曲とともに、紹介していきます。

Classic(クラシック)

地球上で最も有名なジャンルです。さすがにこれを知らない人はいないでしょう。

もともと、キリスト教の宗教歌から生まれたと言われるクラシックですが、6世紀頃には芸術音楽としてその存在が確立されました。

クラシックは、BPMが一定ではなく、曲の途中でどんどん変わるのが特徴です。

DAWソフトでは、同じ曲の中でBPMを変更することが簡単にできないため、実はクラシックを作るのには、あまり向いていません。

Mozart – きらきら星

こちらは誰もが知っている、モーツァルトの名曲「きらきら星」です。

一聴すれば分かる通り、BPMやメロディがどんどん変わる、自由な音楽です。

タクヤくん
タクヤくん
リズムとテンポを意識して、クラシックを聴き直してみると、全然聴こえ方が変わるなー。

Jazz(ジャズ)

トランペットなどの西洋楽器を使った音楽を、アフリカのリズムと融合させることで誕生したジャズは、6/8拍子を用いたシャッフルやシンコペーションと呼ばれる独特のリズムが特徴となっています。

【BPM:120~160】くらいでスピード感のあるテンポで、基本的に1曲の中でBPMは変わらないものが多いです。

Miles Davis – So What

こちらは、ジャズの代名詞と言っても過言ではない、マイルス・デイヴィスの名盤「Kind Of Blue」の収録曲「So What」です。

Blues(ブルース)

ブルースは、かつて労働者を励ますために作られていた「労働歌」と、それにギターをメインとした楽曲を合わせることで誕生しました。

叫ぶようにソウルフルに歌う労働歌とギターのフレーズがメインで、リズム体はそこまで重要視されていない感じです。

【BPM:90~140】くらいと曲によって幅は広いです。

B.B. King – The Thrill is Gone

こちらは、当時、日本でも大ブレイクしたB.B.Kingの名曲、「The Thrill Is Gone」です。

Rock(ロック)

ブルースやカントリーの影響を受け、イギリスで誕生した、政治や社会的な思想的要素を含んだ、攻撃的な音楽です。

ロックとひとくちに言っても、長い歴史の中で、フォークロックや、ハードロックなど数えきれないほどの派生ジャンルがあります。

【BPM:120~140】8ビートのリズムで、1拍と3拍目にキック、2拍と4拍目にスネアを鳴らすのが王道です。

Nirvana – Smells Like Tenn Spirit

こちらは、1990年代を代表とする伝説のガレージロックバンド、ニルヴァーナの「Smells Like Teen Spirit」です。

色々なアーティストがカバーしているので、聞いたことのある人も多いのではないでしょうか。

Punk(パンク)

すっかり世間に浸透したロックが、メディアの金儲けのための商業音楽となり、実験的な姿勢を失ったことに対して、1970年代に「ロックは死んだ」と宣言されて、生まれたのがパンクです。

アレンジが複雑化していたロックに対して、よりシンプルな構成でストレートかつアップテンポで荒々しいパンクは、政治への反抗要素のより強い音楽でした。

いわゆるヤンキーの音楽って感じでしょうか。

The Clash – White Riot

ロックよりやや速めの【BPM:120~180】くらいのアップテンポで、リズムとしては、ロックと同じく8ビートです。

こちらは、ザ・クラッシュの「White Riot(白い衝動)」です。

Metal(メタル)

ハードロックやパンクが発展してイギリスで生まれたのがメタルです。北欧の寒い国でとても流行っている音楽です。

【BPM:180~300】の高速のBPMとシャウトするボーカルが特徴です。なかにはBPM500という、ほぼリズムが分からないような曲もあります。

タクヤくん
タクヤくん
そんな訳分かんない曲があるんだなww

リズムとしてはロックと変わらないのですが、より重苦しい感じです。

Metallica -Master Of Puppets

こちらは、メタリカの「Master Of Puppets」です。

こうして聴いてみると、ブルース・ロック・パンク・メタルのいずれも、ドラムやベースなどのリズム体よりも「ギター」がメインの音楽ですね。

Funk(ファンク)

1960年代に、後にファンクの神様と呼ばれる「ジェームス・ブラウン」によって生み出されたジャンルです。

【BPM:100~130】くらいで、簡単に説明すると、踊れるブルースって感じです。

リズムとしては、1拍目を強調した16ビートが特徴です。

James Brown – Out Of Sight

この曲はジェームス・ブラウンが、世界で初めてファンクを発表した曲「Out of sight」です。

Ragge(レゲエ)

1960年代にジャマイカで生まれた音楽。ジャマイカ人にとっての民謡です。

【BPM:90~100】4ビートで2拍、4拍目にギターのカッティング音を鳴らすいわゆる「裏打ち」のリズムが特徴です。「ズンチャ・ズンチャ」って感じ。

ちなみに、ここから、ジャズやブルースなどと融合して「スカ」が派生したと言われています。

Bob Marley – One Love

ボブ・マーリーの名曲、「One Love」です。

Hiphop(ヒップホップ)

フリースタイルダンジョンやBad Hopの影響から、日本の若者にも大人気となったジャンルですが、元々は70年代に生まれたダンス・ファッション・音楽を含めたムーブメントのことをHipHopと呼んでいました。

音楽要素的には、ファンクからアイディアを得て生まれたので、ファンクのBPMを落とすとヒップホップのリズムになります。

【BPM:90~】で16ビートで、ブレイクしたドラムのリズムが特徴です。

Jay-Z feat. Alicia Keys – Empire State of Mind

https://youtu.be/QsZlY0Vz4-o

こちらは、ニューヨークの街について歌った、Jay-Zの代表曲です。

今の時代でも耳にしたことがある人が多いのではないでしょうか。

Trap(トラップ)

【BPM:140】あたりで、Rolandのドラムマシン「TR-808」を使い、32ビートで細かく刻まれるハイハットなどのドラムが特徴のリズムに、ヒップホップ同様ラップを乗せた攻撃的な音楽です。

Trap(トラップ)というジャンル名で確立しましたが、近年のヒップホップの曲のリズムは、ほとんどトラップです。

Major Lazer – Original Don (Flosstradamus Remix)

この曲では、トラップの特徴である「ハイハットの連打」や808のサウンドが目立つ、いかにもTrapって感じの曲になっています。

Drum&Bass(ドラムンベース)

レゲエから派生したジャンルの「ジャングル」がさらに発展したものです。

【BPM:160~】でシンコペーションを用いたブレイクビーツのリズムが特徴の音楽です。

The Prodigy – Voodoo People (Pendulum Remix)

こちらは、The Prodigyの「Voodoo People」のリミックスです。

0:55~から入ってくる、ドラムのリズムがまさにドラムンベースそのものです。

Dubstep(ダブステップ)

四つ打ちから、2拍、4拍目のキックを抜いて生まれた、2ステップと呼ばれるリズムがさらに発展して生まれたジャンルです。

【BPM:130~150】くらいで、不規則なキックに、3拍目のスネアドラムが入るのが、一般的なリズムになります。

SBTRKT – Wildfire

こちらはSBTRKTのWildlifeです。

曲の出だしのドラムループを聴くと、まさにダブステップの基本リズムになっており、ジャンルを代表する名曲です。

R&B(アールアンドビー)

「リズムアンドブルース」の頭文字をとってR&Bと呼ばれるこのジャンルは、ブルースをリズムに乗せて歌うことからそのように呼ばれています。

【BPM:80~110】とかなり幅広いですが、バラード調のムーディな雰囲気の曲が多いです。

リズムの種類も細かくは多岐にわたりますが、こんな感じです。

Beyonce – Halo

こちらは「Beyonce」の名曲「Halo」です。

Disco(ディスコ)

ファンクやソウル、R&Bをダンスミュージックとして踊れるようにしたジャンルです。

【BPM:110~130】で、4ビートでキックを鳴らす、いわゆる「四つ打ち」とか「イーブン・キック」と呼ばれるリズムに、ボーカルを乗せたジャンルです。

当時、世界中のナイトクラブで大流行しました。

Change – Paradise

ChangeのParadiseはディスコのソウルフルでハイテンションなノリが分かる1曲です。

日本でもバブル期に大流行したので、一聴すれば「あーこのノリね!」と分かると思います。

House(ハウス)

Discoを、よりクラブで踊るためのダンスミュージックとして高機能化したジャンルです。

【BPM:120~130】で、4ビートのリズム、DiscoよりもBPMが少し速くて、ダンサブルなパーカッションが特徴です。

Discoと比べるとボーカルよりリズム体がメインになっています。

Mr Fingers – Can You Feel It

https://youtu.be/UeiH9Mm0E5Y

Mr Fingersの「Can You Feel It」はハウスの不屈の名作です。

なお、Houseはこの後、より音数が減って、「Deep House」や「Tech House」などのジャンルに細分化されていきます。

Techno(テクノ)

Houseがより実験的・政治的・思想的に変化したことによって生まれたジャンルです。

【BPM:130~160】で、Houseよりも速く激しく聴こえるリズムが特徴です。

ボーカルサンプルは効果音として使われる程度で、全体的に機械的で無垢な印象です。

Jeff Mills – The Bells

テクノ界の宇宙人こと、Jeff Millsの「The Bells」は、全体的な音数は少ないながら、とてもハードで疾走感のある、テクノDJであれば誰もが知っている名曲です。

POPS(ポップス)

ポピュラー音楽のことを説明するためのジャンル名です。ポピュラー音楽といっても、国や時代によっても大きく異なりますので音楽的な定義は曖昧です。

基本的に、リズムやテンポにルールは無く、分かりやすいメロディーライン、サビのコーラスが特徴で、他のジャンルの要素をいくつも取り入れるなど、なんでもアリのジャンルです。

Shawn Mendes, Camila Cabello – Senorita

様々なジャンルを吸収する何でもありのポップスですが、USではラテンのリズムを取り入れたトラックが多く、Shawn Mendesの「Senorita」もまさにそんな1曲です。

EDM(イーディーエム)

DTMによって作られるシンセやサンプリング音などをメインにしたダンスミュージックが、商業的に存在を確立したジャンルです。

DTMによって作られるダンスミュージック全般を指しているため、音楽的な定義は曖昧ですが、【BPM:128】前後で、ハウスやテクノなどと同様に四つ打ちのリズムに、ソフトシンセで作られる派手な音を使ったものが世間一般では主流です。

Zedd – I Want You To Know ft. Selena Gomez

Zeddは、EDMの代表的な存在のアーティストで、Selena Gomezを始めとして、多くの有名シンガーと共作をリリースしています。

彼の作るシンセサイザーのサウンドに魅了された人は多いでしょう。

Future Bass(フューチャーベース)

DubstepやEDM、ポップスから生まれた比較的新しいベースミュージックです。リズム体は踊れるノリですが、上ネタはベッドルームのノリです。

四つ打ちからDubstep、ドラムンベース調までリズムは幅広く、テンポもかなり自由です。

シンセサイザー特有のきらびやかなサウンドや、オートチューンなどでピッチベンドしたボイスサンプルを多用しているのが特徴です。

Casimier Cat – Emotions

Casimier CatのEmotionsは、タイトル通り、エモーショナルなトラックで、Future Bassらしさ全開の曲になっています。

まとめ

自分が好きな音楽は、どんなジャンルの要素なのかを確認できましたでしょうか。

自分のオリジナル曲に、これらのジャンルの要素を足してより良い曲を作っていきましょう。

POSTED COMMENT

  1. より:

    jazzはブルースからの派生、(ロックもブルースからの派生。)
    またReggaeはスカからの派生。

    ポップス史的に歴史的な前後関係が違います。

    あと、Jazzは6/8ではなく、swingの「訛り」的なノリです。あれはシャッフルではありません。厳密に言えばシャッフルもノリですが。
    6/8のように、3連の音は決して等間隔ではありません。
    等間隔の盆踊り的に捉えるから日本人のJazzはダサいと言われます。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です